川崎 美苗さん NIC 第18期生 金光八尾高校出身
人は変われる
日本語も話せなかった女子高生。
シドニー大学獣医学部は世界でもトップクラスの獣医学部として知られている。そこで川崎さんは朝から晩までレクチャーと実習の毎日を過ごしている。
「学年で日本人は私だけで、普段はほとんど日本語を話さないので、今日はとても楽しみにしていました。」そう語る川崎さんは、実はNIC入学当初、日本語もほとんど話せないシャイな学生だった。
高3の夏、川崎さんはNICの夏期講習に参加した。ライティングの力は上級、しかし話せないということで先生がとても心配した。「ほかの人以上に迷惑をかけたと思いますが、いろいろサポートしてもらえて、『ここだったらやっていける』と思ったんです。授業はほとんど聞き取れなかったけれど、それでも2週間楽しいと思えたので。わからないからあきらめるんじゃなくて、悔しい、もっとやりたいと思えたから。」
中学の時から獣医になりたかった。「中学の時に職業体験で動物病院に行って以来、ずっと夢は変わっていなかったんです。」
しかし高校では成績はあまり芳しくなく、担任の先生からは獣医学部は無理だと言われ、他の学部を進められた。「でもあきらめきれない。そういうときに、NICを見つけたんです。」 高2の夏だった。家族は大賛成。逆に先生は大反対。
「NIC受験を決めてからは、何度も話し合いをして、三者面談もして、ようやく書類を書いてもらうことができました。反対されるのはわかっていたので、NIC合格後も最後まで先生には、『日本の大学が第一志望で、NICは第二志望』って言い続けてたんですけどね(笑)。」高校の方針でセンター試験も受験。二次試験も受験し、国立大学に合格したが、もともとの予定通り、NICに入学した。
NICではHI(中級)クラスからスタートした。「NICの1年間は、大変でしたけれど本当に楽しかったです。毎日いろいろな勉強を英語でやって、チュータリングセンターで毎日友達と夜遅くまで残って勉強していました。」
NICでの好成績が認められ、ファンデーションコース進学時には授業料の半額が免除になった。そして見事シドニー大学獣医学部に合格した。
シドニー大学では、大学の実習以外にも、学外での実習が何箇所か義務付けられている。「冬休みに日本に帰ったときには、ジャージー牛の放牧で有名な福井県の牧場で2ヶ月間、乳牛の世話をさせていただきました。えさやりから糞の片付け、子牛の哺乳等、何でもやりました。大学の単位には認められないのですが、授業で習ったhusbandryやhandlingの知識を応用した現場での実習は、すごく勉強になりました。」
とにかくやるしかない
NICそしてシドニーに来て、自分が変わったと思うことがたくさんあるという。「まず家族や周りの人がいかに自分の支えになっているのかがわかりました。オーストラリアに来てからも何をやるにも自分で解決方法を見つけなければならないし、日本で自分がいかに楽をしていたのか、ということも分かりました。今は自分に力がついたのがはっきりわかるし、周りへの感謝の気持ちもこれまで以上に感じています。」
やりたいことが見つからない高校生へのメッセージがほしいとお願いすると、「とにかく何でもやってみるといいと思います。そのためには『大学に行くために勉強する』とか『言われたからやる』とか『やらされている』とかいう考えをまず捨てること。そして、やってみる前からできるかできないかを決めつけてしまったり、友達に合わせることもやめたほうがいいと思います。『できないだろう』とか『周りがこうだから』という考えでいるとせっかく目の前に来ているチャンスを逃しちゃいます。」
獣医学部は他の学部に比較しても学費は高い。「決して裕福な家ではないので、まずはちゃんと規定の年数で卒業すること、そしてちゃんと獣医になって親孝行したいです。」そう語る川崎さんには、18歳の時のあの「Too shy」な面影は微塵も残っていなかった。
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University of Sydney
http://www.sydney.edu.au
シドニー大学は世界の「トップ40大学」にランクされる名門大学。2006年10月に公表されたイギリスの「Times Higher Education Supplement(THES)」において、同大は人文科学の分野で5位、社会科学の分野で19位、生物医学の分野で20位の評価を受け、総合評価では世界の35位にランク。また、07年11月に公表された同“THES”誌では、総合評価で世界31位にランクされている。
卒業生には、ジョン・ハワードをはじめとするオーストラリアの歴代首相、ノーベル賞受賞者、著名文化人が多数いる。
シドニー大学獣医学部を卒業し、獣医師免許を取得した後は、オーストラリアのみならず、英国・米国内での就労も認められている。















