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同窓生インタビュー

<2008年初頭>
渡邊奈緒さん NIC第15期生 群馬県立太田女子高校出身
ロンドン大学SOAS校大学院 日本語応用言語学専攻 08年9月卒業
同大学言語学部07年6月卒業

人間、何か目標が無いと、だらけてしまうと思うんですよ。少なくとも私は(笑)

◆人生は、常に自分自身との闘い・・・だったはず。


奈緒さんが、NICのインタビュー集に登場するのはこれで3回目、いわば常連である。1回目はSOASの1年目、2回目はアメリカ・UCLAに交換留学していたとき、そして今回が3回目である。今回、初めて、つらそうな顔をしている奈緒さんに出会った。
「別にうまくいっていないわけではないのだけれど、何かしっくり来ない。NICにいた頃の自分が一番輝いていたような気もするんです。」

たしかにNIC時代の奈緒さんは、成績もトップクラスで、修了式では代表スピーチも務めた。事務局のアルバイトも両立し、毎週のように説明会やイベントの手伝いをしていた。SOASの1年目も、そしてUCLAで出会ったときも体中からエネルギーが満ち溢れていた。UCLAでもらった奈緒さんからのメッセージは、『人生は常に自分自身との闘いである。』

◆「もしかしたら、いろんなことに我慢・妥協している自分が今いるのかもしれない・・・。」

奈緒さんは、群馬県でも有数の進学校に入ったものの、当たり前の様に過ぎていく毎日に疑問を感じていた。進路を決めなければならない時期になっても、皆が同じ方向しか見ていない(見えていない)状況&環境に疑問を感じていた。
「自分の夢(日本語教師になること)はハッキリしていたので、国の外に出て、一度は外から日本を客観的に見てみたかったんです。他国の人と触れ合う事で、様々な文化・価値観を肌で感じ、日本語教師という、それこそ毎日外国の方々と触れ合う職業に活かしたかった。」

多くのNIC生がそうであるように、奈緒さんも、NIC入学前の海外生活経験は無いに等しかった。
「小学5年の時に母と一度ロンドンへ旅行しましたが、その時は全く英語を話もしませんでしたし、高校1年の冬休みに2週間足らずのホームステイを、オーストラリアのケアンズでしましたが、それっきりです。」 そしてNIC入学。成果は前述のとおりである。

つらくなったときは、NIC時代の生活、仲間を思い出す。
「どんなことでも話せる。愚痴も言えるし、夢も語れる。同じ目線で話せる仲間に出会えたのは、NICという環境があったからこそでしょうね。海外に出る前にたくさんの勇気をもらいました。」

日本に帰りたいと思ったこともしょっちゅうだ。
「はっきりと覚えているのは、まずイギリスに来て1年目の時。次は、大学に入学した2004年の9月。ラストはアメリカへ行った2005年の9月。毎年じゃん!とツッコミを入れられてしまいそうですが・・・。環境の変化は大きいです(笑)。 特にUCLAでは、勉強の仕方が自分のやり方と合わず、だいぶ悩みました。渡米1−2週間にして、気付いちゃったんです。「あ、この環境、私の肌に合ってない!?」って。そこで、初めて母親に泣き言を言いました。最終的には、『そんな事言ってないで、ちゃんと大学卒業して帰ってきなさい!』って言い切られちゃいましたけどね(笑)。」

◆『自分らしさ』

イギリスでの生活も残り半年となって、いろいろ悩んではいるけれど、なんだかんだ言ってもイギリスは気に入っている。日本の教育と比べた利点を次のように語ってくれた。
「 一つ目は多様性。うちの大学は、大学の名前がOriental and African Studiesとなっているだけあって、色んな国々から学生が集まってきます。ですので、一歩大学の敷地内に入れば、イギリス人は基より、ヨーロッパ系・アフリカ系・インド系・アラブ系・アジア系etc...まさに人種のるつぼとも言えるぐらい様々な学生が一緒に勉強をしています。2つめは課題の量に違いを感じますね。やはり、課題の量は多い!というのも、これは第3の点とも関わってきますが、まず学生と先生との関係が日本と比べて近いんですよね。なので、先生のexpectation(期待)を学生は肌で感じるし、学生も、分からないことがあれば質問をぶつけるし、そういうinteraction(相互的関わり)の中で、授業・1年のコースが流れていくので、先生の求めるものが課題の量へと表れてくるわけです。なので、一年を通して課題が無いという状況はないですね。」

留学して変わったことは?という質問には、
「たくさんあると思いますよー(笑)。多すぎて気付かずにいる点も多々あると思いますが、一つ述べるならば、多国籍の中に自分も存在することに慣れた点でしょうか? もう当たり前なんですよね、どんな人がいようと(笑)。逆に、日本の方が同じバスに居たりすると、意識してしまうぐらいです。自分の生活、自分のやるべき事に集中出来て、凄く気持ちよく生活をしています。言い方を変えるならば、「自分らしさ」というモノを保持できるようになったのかな?」

「後は・・・謙虚になったかな(!?)。大学で勉強をしていると、本当に良く思うんですよね。「あー自分はなんて未熟なんだ」って。それは、精神的でもあり、知識の面でもそうなんですけど、大学の先生方は、本当の思考の幅が広く、そして深いんですよ。1つのことを語るにしても、それを取り巻く外的要素から何からと必要な知識を兼ね揃えていて・・・。そんな先生方から教わっていると、「私はまだまだだ」って思うし、それこそ相田みつをさんの詩にあるように、「一生勉強」だって思います。決して終わりは無いんですよね。学校で学習した事は必ず私生活や考え方にも繋がってくるし、それこそ学んだ事をどう活かすかは、自分自身にかかっているわけです。昔の私だったら、一つの事を理解したら、得意げに思っていたかもしれない。でもそこで満足してしまっては成長が止まってしまうんですよね。自分を高めたいと思うからこそ、基礎からしっかり積み上げていきたいと思うようになった。上には上が居ます。自分を磨くにはこつこつやっていくしかないんですよね。」

◆大志を抱け。Boys & Girls Be Ambitious!

卒業後は、日本に帰って、日本語教師として働く予定だという。
「やはり、「日本語教師になる」事を目標として今まで頑張ってきたので、教師にならずして何になる!?という気持ちがあります(笑)。日本に帰る理由としては、外に出て初めて「私はやっぱり日本人だ」と改めて感じたからです。何かこう、抜けきらない・・もしくは貫きたい日本人らしさってものがあるんですよね。ここで勉強をしていると、本当に色んな方がいて、日本人の方とも多々お会いしますが、外国で一生暮らしている人、いこうとしている人と会うと、「あぁ凄いなぁ」って、私にはそこまでの覚悟はないなぁ・・・と感じるんです。だから、まずは学生としてのイギリスでの生活にけじめをつけて、日本に帰って、そして拠点を築いてからその後の方向を定めたいですね。実際に働き出したりしたら、また新たな夢が現れるかもしれません。既にある希望としては、日本語教師としての経験を積んで興味の幅が広がれば、是非今度は博士号を取りたいです。」

夢(大志)は持ち続けたいという奈緒さん。
「何年も先の夢でも、1週間の内に成し遂げなきゃいけない目標、予定でも、人間のやる気を奮い立たせるという点では同じだと思うんです。人間、何か目標が無いと、だらけてしまうと思うんですよ。少なくとも私は(笑)なので、目標・夢は常に持ち続けていたいですね。」

なんだ、やっぱり奈緒さんだ。エネルギーが戻ってきた。やっぱりそうでなきゃ。Nao,Be Ambitious!


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