TOP
第19期生
第18期生
第17期生
第16期生
第15期生
第14期生
第13期生
第12期生
第11期生
第10期生
第9期生
第8期生
第7期生
第6期生
第5期生
第4期生
第3期生
第2期生
第1期生
同窓生インタビュー

<2007年秋>
長谷川藍さん NIC第16期生 福島県立安積女子高校(現:安積黎明高校)出身
カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)心理学部3年 08年12月卒業
University of California-Los Angeles BA in Psychology


◆早稲田大学不合格で目覚める


高校は県内有数の進学校で、毎年全国大会で金賞を受賞するレベルの高い合唱部に所属し、最初は普通に日本の大学を志望していたという藍さん。しかし、高校3年の夏に、NICのオープンキャンパスに参加、そこで心を動かされ、NIC入学を強く希望した。が、親に打ち明けられず、早稲田大学の推薦を受験した。

「早稲田大学の教育学部を自己推薦で受験しました。でも試験の数日前から40度の高熱が出て。。。面接でも小学校の教員コースがないのに、小学校の先生になりたい、と言ってしまって。。。当然不合格だったんですが、それをきっかけに、やっと親に本心を打ち明けることができたんです。」

しかし、NICを志望していることを三者面談で先生に言ったところ、このようなやり取りがあったという。
先生: 『長谷川さんの一番苦手な教科は?』
藍:  『英語です。』
先生: 『一番点数が低いのは?』
藍:  『英語です・・・。』

高校時代はずっと理系だったので、センター試験の英語が必修でなくても受験できる大学を探していたほど英語が苦手だったという藍さんは、NIC入学後も下から3番目のINからスタートしたが、NICの1年間はとても苦労した。アルバイトとの両立がうまく行かず、成績不良者リストにも載った。そしてNIC修了後、ディアブロバレーカレッジ(DVC)のサマーブリッジプログラムでも、規定の成績を満たすことができず、近郊のLos Medanos College(LMC)に進学した。


◆学業だけでなく、課外活動も評価されるアメリカの大学

LMCでは、Employment Center(学生にアルバイト先を紹介するセンター)でアルバイトをした。そのがんばりが認められて、1年後DVCに編入したとき、Library(図書館)でのアルバイトをするのに紹介状を書いてもらい、2年間、図書館でアルバイトを続けた。加えてDVCでは、地元のコミュニティセンターで、数学と日本語のチューター(家庭教師)のボランティアをしながら、成績はオールAを取った学期もあった。そのおかげで奨学金ももらえることができた。

遠回りをしたが、心理学と人類学の両方で短大卒業資格をとった。そして得たUCLAの合格。成績は4段階で3.8。しかし友達の香港からの留学生は3.9で不合格だった。藍さんも出願前には、DVCのカウンセラーにも、UCLAのカウンセラーにも『心理学は、競争率が高いから合格はちょっと難しいかもしれない』と言われていたという。

「成績を取るのは当たり前ですが、おそらく勉強だけでなくアルバイトやボランティアをやっていたのが良かったのだと思います。UCへの編入は、成績、personal statement(エッセイ)に加えて、課外活動がとても重要視されるので、すべてにおいて全力で取り組んだ学生生活が高く評価されたのだと思います。UCLAに合格したときは本当にうれしかったです。」

UCLAでは、オーディションに合格しコーラスのクラスも取っている。「オーディションでは、先生に褒められとてもうれしかったです(笑)。今度春休みには100人のメンバーで中国ツアーにいくことになっていて、上海と北京でコンサートをやることになっています。今からとても楽しみです。」

2年制大学で取得した80単位以上のうち、70単位ほどが移行できたので、UCLAは1年半で卒業できるという藍さん。「早稲田に受かってそのまま進学していたら、4年間、なんの目的ももたず、何事も中途半端で終わり、ここまで充実した学生生活は送れなかったと思います。今はアメリカで、どんなことにでも精一杯取り組んでいる自分がいます。」


◆挫折はチャンス

藍さんは自分の人生を『挫折からの復活』だと言う。

「高校受験では、地元の会津女子高校を推薦で受験し不合格。その悔しさから、レベルを上げ、一般で学区外の安積女子高校に入りました。そして大学受験では、早稲田の推薦に落ちて、NICに入学。NICでの思い通りにいかない成績にもめげず、UCLAを目指して頑張りました。 私の人生、挫折しっぱなしです(笑)。でも、挫折のおかげで、今こうして憧れのキャンパスで勉強できているのだから、私の挫折人生に感謝ですね。 」

しかし、本当の意味では、挫折は挫折ではなく『チャンス』だという。
「UCLAに出願する際に、なぜUCLAに入りたいのか、エッセイを書いて提出しなければならないのですが、そこには、ありのままの自分を書いたんです。小学校3年生のときに不登校になって先生に助けてもらって、そこから心理学に興味をもったことも。。。」

成功体験でなく、挫折からどう変わったか、そこから何を得るかが大事。成功よりも失敗から学ぶことの方が多いと言う藍さん。「UCLAに入れたことが今でも信じられない(笑)。」

日本の社会は『ほどほどでいい。。。』という雰囲気で満ち溢れていると言われている。「父親が経営しているそろばん塾は、昔は、生徒をたくさん全国大会に送っていたのですが、最近は、保護者の方々が『普通でいい。』『そこそこでいい。』といって、子供の伸びようとする力に親がブレーキをかけているようだと言っています。きっと、何かが飛びぬけてできなくていいから、全てがほどほどで、みんなと同じであれば良いという風潮が、日本の社会の中で広がっているのではないかなと思います。」

他のアジアからの留学生には志が高い人がたくさんいるが、一方で日本人は「これくらいでいいじゃん」と言う人が多いような気がするという藍さん。

最後に、『一言これだけは、言わせてください』と藍さん。
「『人間一人ではないということ。』私一人では、UCLAの編入は難しかったと思います。挫折も私一人で背負っていたら、ただの挫折で終わっていました。でも、私の周りにはいつも、支えてくれる家族、励ましてくれる友達や先生、一緒に頑張ろうと言ってくれるNICの仲間がいました。その人達の支えがあったからこそ、今の私があるのだと思います。だからこそ、みんなには感謝してもしきれないくらいです。特に両親には、私の意見を尊重してくれて、進路を選ばせてくれたことに心から感謝しています。これからも、周りの人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、成長し続けていきたいです。」

そして、
「人生で一番勉強したとか、一番大変だったとか、そういう経験を、将来自分の子どもにも伝えられたらいいですね。」

>第16期生トップに戻る
Copyrights c 2003- NIC International College in Japan All Rights Reserved.