TOP
第19期生
第18期生
第17期生
第16期生
第15期生
第14期生
第13期生
第12期生
第11期生
第10期生
第9期生
第8期生
第7期生
第6期生
第5期生
第4期生
第3期生
第2期生
第1期生
同窓生インタビュー

<2007年秋>
田中彩子さん NIC第16期生 晃華学園高校出身
カリフォルニア大学バークレー校建築学部4年 08年5月卒業
University of California-Berkeley  BA in Architecture Minor in Environmental Design


◆睡眠2、3時間は当たり前。


建築学部の数少ない日本人学生として、来年5月に卒業を迎える彩子さんは、NIC修了後進学したディアブロバレーカレッジ(DVC)でもオールAの成績をとり、バークレーに編入してからも4段階で3.6を維持している。バークレー編入時には、地元の建築事務所から、年間2500ドルの奨学金ももらうことができた。

UCバークレーの建築学部は、そのレベルの高さでも知られているが、厳しさの面でもまた一流である。
「スタジオのクラスは、ある意味野放しなんです。あくまでも学生の自由を尊重するというスタンスで、やりたい人は徹夜でもやる。その代わり先生も、しっかり見てくれます。」

課題の締切りが近づくと、睡眠時間2、3時間は当たり前。それでもそれに耐えられるだけのスタミナがついたという。「もちろんDeadline(締切り)は厳守。いくら優れたデザインをつくっても、締切りを守れなかったら誰も見てくれない。」 

ちなみにバークレーでは、夜遅くまでスタジオや図書館で過ごしても、警備員さんが寮やアパートまで送ってくれるサービスがある。しかも無料で。車で送ってくれるエスコートサービスや、そして、歩いて一緒にアパートまで送ってくれるサービスは、バークレーのマスコットにちなんで「Bear Walk」と呼ばれる。

スタジオのクラスはPortfolioのレベル別に最初からクラス分けがされ、誰が見ても明らかにどの学生がどのレベルにいるか、わかってしまうという。

『スタジオは、1学期で2、3のプロジェクトをします。それぞれのプロジェクトに、中間と学期末プレゼンテーションがあり、様々なバックグラウンドを持った外部からのCritic(審査員)が5人程いらして、幅広い視点から、アドバイスをくださいます。プレゼンテーション前は徹夜が多く、できた作品に納得できるまで挑戦し続ける事の繰り返しです。タフさを要求されますが、完成したときに65人前後の生徒の個性溢れる努力の結晶が、一斉にドローイングやモデルという形となって、ピンアップされると、壮快な気分となります。バークレーの建築学部はコンセプシャルなことで知られています。それゆえ、全く同じサイト(敷地)とプログラム(用途)を与えれているにもかかわらず、実に様々な作品が生み出されるのを目の前にすると、想像力の無限性を感じます。デザインはとても楽しいもので、結果はどうであれ発展する完成までのプロセスで何らかのものを必ず学んでいるので、決して白紙に戻る事は無いです。』


◆精神的にタフになった

彩子さんは小学校から晃華学園に入学、高校までをカトリック主義ながら自由な校風の中で穏やかに過ごした。高校時代も英語のクラスは能力別クラスだった。

「高校1年のときは、『C』クラスだったのですが、高2の夏に、NICの夏期講習に参加して、『よしNIC行くぞ!』って決めてから頑張って、それから『A』クラスに入れました。」

NICの1年間は、大変だったけれど、『本当に楽しかった。』という。
「まず、クラスメイトがとてもよかった。一緒に目標に向かって頑張っている同志ですね。もちろん勉強量は多いのですが、きちっとやってそれを克服したときの喜びがあった。間違いなく精神的にタフになりました。あとは、プレゼンテーションスキル。バークレーでも自分のつくった作品について『これは何ですか?』と聞かれたときに、ちゃんと説明できるかどうかが、一番大事なので。これはダニー先生に感謝です。」

彩子さんの大祖父(おじいさんのお父さん)は、30年間、カリフォルニアで生活した、いわゆる開拓者である。100年以上前の話である。そして帰国後おじいさんが生まれた。

「おじいちゃんがいつも曾おじいちゃんの話をしてくれたんです。おじいちゃんの『知識とは別に経験が必要。熱い、苦しい、にがいとはなにかを言語で説明されてもわからないけれど、経験で直感できる。』は、鮮明に覚えています。」 『旅行が大好きです。肌で土地を実感し、様々な人々に出会います。生き方を学びます。共感すれば、自分の価値観として自分の中に取り入れて持って帰ります。出会いに喜び、変化を楽しみ、柔軟に生きるのがコツだと思います。』

◆『熱い』か『苦しい』か、自分で確かめろ

ヒッピー文化の発祥地でもあり、表現の自由を始めいろいろな社会運動が生まれたバークレー。まさにアメリカの『自由』の象徴である。そのキャンパスでたくましく生きる彩子さんは、『現役NIC生と未来のNIC生へ』メッセージを送ってくれた。

「迷っているんだったらやった方がいい。自分の目と体で確かめないと。引き出しの多い人間になることが大事だし、そのためには、学問、体験、人との交流。。。やるべきことはたくさんある。」 この3年間が今までの人生で一番充実していた、と断言する彩子さんは、最後にこう言った。

「今まで夢を現実にしてきたから、これからも夢を見ていきたいです。」

>第16期生トップに戻る
Copyrights c 2003- NIC International College in Japan All Rights Reserved.