第27期生メッセージ集【大阪校編】

自分を変えたい人へ

4年前、廣田先生の『きみは変われる!』を読んでNIC に入りました。以来、私は変われる、と信じて勉強してきました。NIC、そしてアメリカの大学を卒業し、帰国してからはNIC 大阪校に勤めています。私は、どう変われたのでしょうか。

小学校時代の友人に会うと、変わらんなあ、と言われます。そのとおりだと思います。といっても、12 歳から変化していないわけではなく、「一周して戻ってきた」気がしています。

質問の多い子供でした。
「人は死んだらどうなるの?」
「もし人が一人もいなかったら、世界にはどんな意味があるの?」
「静かにしなさい、と言われて口を閉じたけど、頭の中でおしゃべりがとまらない。どうして?」
そんなことを延々と考えていました。楽しくて仕方ありませんでした。

けれど、学校で先生に質問しては叱られ、母に口答えしては外に出され、木に話しかけていれば、変な子や、と笑われました。私は、少しずつ臆病になりました。どこに、誰といても違和感を覚えました。

それで、NIC。勉強の他に、学生会、アルバイト、舞台など、思いつくことは全てやりました。私をばかにする人はいなくなり、あるいはいても気にならなくなりました。
それは、直接見て知っている世界が広がったこと、悩んでいる暇もないくらい充実していたことと、「それほど、やっている」という自負が、そうさせたのだと思います。ニューヨークの大学では哲学を専攻し、あらためて問いをかけ始めました。心を開いてみれば、人はおもしろく、人からおもしろがってもらえるようにもなりました。

本気で自分を変えようとすることは、逆説めきますが、今の自分を今愛してくれている人と、これから愛してくれる人(自分自身含め)に出会う準備をすることだと、私は思います。たとえば、「きみは、変わらなくていい」ーー父が言い続けてきてくれたらしいこの言葉の意味を、私は、23 年かかって理解しました。どうして「らしい」なのかというと、それまでは聞こえなかったからです。一番近くにいた父にすら、本当には出会えていなかったのです。愛されていないからがんばろう、と思っていました。今は、愛されているからがんばろう、と思っています。

そんなことを言われても、ピンとこないかもしれません。世界にはきっと、読むだけ、聞くだけではわかり得ないことがあります。自分を変えたい、と思っている人は、だから、旅をしてください。近道もあることにはありますが、遠くに行けば行くほど、多分、出会えたときにうれしいです。グッドラック!

PROFILE

Mei Kimori
私立京都文教高等学校出身
ニューヨーク州立大学 ビンガムトン校
哲学科卒業
NIC 大阪校職員