アメリカ留学の体験談 2014年

父さんへ/ノースダコタ大学

PROFILE

白崎 祐稀さん Yuki Shirasaki

University of North Dakota ノースダコタ大学
航空学部航空学科4年(2015年8月卒業)
BS in Commercial Aviation

福井県立高志高校出身 NIC第23期生

もうすぐ夢だったパイロットになれる

Diablo Valley College(DVC)で一般教養課程を終え、2013年秋から編入。高校生のころから夢だった旅客機のパイロットにもうすぐなれます。ノースダコタ大学(UND)の航空学部は、レベルも設備も全米でトップクラスです。

通常は3年~4年かかるプログラムなのですが、夏に授業を取ったため2年で終わらせることが出来ることになりました。特に一番難しかったのが最初のPrivate Pilotの免許です。一番初めの免許ということもあり、覚えなければいけない情報がとても多かったです。飛行機のシステムやエンジン、天気、航空法など、飛行機を操縦する上で必要な最低限度の勉強をします。この免許を取得したという事は自分がキャプテンとなり、空を飛べるという証明になります。そのため、適切な判断力や知識を持っていないといけないのです。

既に一人前の責任の持てるパイロットであるという証でもあります。通常1年かかるところを必死で頑張って1学期で取得することができました。Privateのあとは、計器飛行、Commercial Pilot、そして今は双発エンジンの訓練を受けています。

パイロットへの道が閉ざされないために

UNDのプログラムは大学のコースであると同時に、アメリカ航空局(FAA)のプログラムなので、とても厳しいです。学科では、76点未満で再試験、2回目もダメだと不合格になります。さらに、全テストの平均点が76点以下だと期末試験も受けられません。
また、FAAが定める最低基準のGPAが2.5以上なので、もし下回ってしまった場合は以前受けた授業を受け直していい成績をとるか、他の授業でGPA 2.5になるよう成績を取らないといけません。

フライトの訓練は、1つの科目につき約25レッスンのうち3回ほど教官のチェックがはいります。授業とは別の筆記試験を合格した後、最初に口答試験をクリアし、そして最後に実技試験に移ります。
口答試験、実技試験ともに2回落ちると才能がないとみなされ、パイロットへの道が閉ざされてしまいます。

というわけでUNDに来てからは、土日も返上して勉強しています。

卒業後は大学に残って、しばらくの間教官として働くことが決まっています。
20代前半でも教官ができるのはアメリカならでは。アメリカで経験を積んでから日本で働きたいと思っています。

父さん、どうか天国から見守っていてください

パイロットになりたいと思ったのも、乗り物好きで、大きなヘリコプターのラジコンが趣味だった父さんの影響です。

病気のため52歳という若さで亡くなってしまった父さん。いつも遠くから応援してくれてありがとう。
自分の操縦する旅客機に1番に乗せてあげるという親孝行すらできませんでした。
ただ一人前の立派なパイロットになるのが、親孝行になるのではないかと思っています。
というか、ならなければならないと思います。

どうか天国から見守っていてください。

UND ノースダコタ大学 University of North Dakota

1883年に合衆国政府の助成で設立された200以上の学科に12000人が学ぶ総合大学。全米大学ランキング168位(National Universityのカテゴリー)。航空学部は全米屈指のプログラム。全米で初めて無人飛行機操縦のプログラムを導入した。栄養学やエネルギー・環境調査研究、そして医学も同様に全米トップランクと指定されている。近年、入学基準を急激に引き上げる措置をとり、入学者数を絞ったことでもニュースになった。男子アイスホッケーは過去7回全米優勝している。

大学ウェブサイト: und.edu

所在地: Grand Forks, ND