就職活動の体験談

恵まれた環境と「若さ」に感謝にして、前に進んでください。~インドより~

PROFILE

足立 悠佑さん
カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校 ブロードキャスティング学科卒業 / 広島井口高校出身 / NIC第14期生

株式会社ニコン

NICの2学期に落第点

こんにちは。私は精密機器メーカーのニコンに2006年6月に入社、2009年からインド現地法人に海外転勤、カメラなど映像機器の営業を担当しています。 NICで一番記憶に残っているのは、2学期に落第点を取ったことです。今考えてみると地元広島の穏やかな雰囲気と東京との差に適応できなかったのだと思います。有難かったのは年末に何を言われるかと戦々恐々としながら実家に戻った際、何も言わず温かく迎えてくれた両親、そして待ったなしで良い成績を取るしかない3学期を懸命に支えてくれた彼女の存在です。実はその彼女と結婚するのですが、当時はそんなこと考えてもいませんでした(笑)。

興味が動画から静止画に

NIC修了後はカリフォルニア州立大学サンフランシスコ校に進学しBroadcastingを専攻しました。しかし専門課程に入る3年目から写真を始め、興味が動画から静止画に移りました。撮影実習の授業でも、本来は手書きが基本の絵コンテなど全て写真で作っていました。今となってみると勝手なことをやっていたのですが、幸い理解のある仲間に恵まれ、教授のプロセスの違いを咎めることなく生徒の考え方を尊重してくれる寛容な姿勢にも少なからず影響を受けました。

就職活動---ニコンに決めた理由

就職活動は大学4年になる少し前から、留学生向けの就職フェアに参加し数社面接を受けましたが、興味の無い企業を受け続ける意味を感じず、夏休みに日本に帰り興味のある企業を廻ることにしました。前もってエントリーシートは提出しておき、帰国中に集中して面接を受け約1ヶ月で内定となりました。 ニコンに決めた理由は、写真が好きだった事と、チャレンジャーとしてトップを狙う位置にいる企業が希望だったことがあります。

留学で異なる基準を持った人々と出会ったことが、仕事をする上での基本となった

特にインドに赴任してから痛感しているのですが、留学して良かったことは自分とは異なった考え方に対してオープンになったことです。例えば極端な話ですが、日本人にとっては当たり前の仕事の期限厳守に対し、現地のスタッフから「なぜ?」と問われたとします。それに対して仕事は期限を守るのが当たり前だと押し付けるのは簡単ですが、それでは相手が何を考えているのか分からず、平行線のままです。まずは自分が絶対正しいという考えは脇に置いて相手の立場でなぜ期限を守らないのかを考え、その上で自分の考え方を伝えて納得できるまで話し合うよう心掛けています。これは留学中に自分にとっての当たり前とは異なる基準を持った人々と多く出会った結果で、私が仕事をする上での大事な基本になっています。

インドの人たち

私は今インドに住んでいますが、ここでは海外が日本よりもずっと近くにあります。毎日私をオフィスに連れて行ってくれる運転手達も、国外に出て職を得る事を真剣に考えています。成長著しいこの国では、それは夢ではなく現実的な目標です。しかし彼らは、現時点で英語に堪能な訳でも、海外で働く特別なスキルを持っているわけでもありません。でも彼らは目を輝かせながら、その目標について語ります。みなさんが10年後、20年後に付き合っていく人たちはきっとこういう人たちです。

留学を目指す皆さまへ

みなさんの環境は、彼らよりもずっと恵まれていると思いますし、みなさんには若さがあります。そして私は、留学を目指す皆さんの目も、きっと彼らのように輝いていると思います。その輝きを忘れずに、現実的な目標を持ち、進んでほしいと思います。