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保護者・高校教員・本学OBOGからのメッセージ

「先生や保護者の方は、反対する前に、まず生徒の意思を確認してください。」

明治大学付属中野高等学校 英語教諭・進路指導部長 大井 和彦 先生
明治大学付属中野高等学校 英語教諭・進路指導部長 大井和彦先生

当校でも毎年少ない数ではありますが、海外の大学に進学を希望する生徒がおります。日本の大学に進学する生徒たちと異なる点は、海外の大学を目指す生徒は、概して目的意識が高いという点です。

一方、日本国内では近年、生徒の学力低下ということが問題視されていますが、私自身、長年教育に携わっていて感じることは、学力の低下以前に、モチベーションの低下の問題です。いわゆる学習に取り組む姿勢に大きな変化が見られます。考え方や、物事に対する取り組む姿勢は、残念ながら昔に比べると甘くみえます。原因としてはコンピュータゲームなどの普及で、家族を含む他者と深く関わる機会が減っていること、読書が少ないことなども考えられるでしょう。結果として根気強さ・ガッツもなくなってきていると思います。

当校でも、保護者からの要望も強く、ニュージーランドでの2週間の語学研修を行うこととなりました。もちろんたった2週間で英語を話せるようにはなりませんが、英語力の向上よりもむしろ、内的なもの、モチベーションを高めること、生徒に世界にはもっとチャンスがあるんだ、ということを知ってもらうことを目的としています。例えばニュージーランドにはマオリ族という少数民族がいますが、ニュージーランド研修では、彼らの言語や文化を学ぶことも含まれています。それらを学ぶことで、日本国内の伝統的な少数民族(アイヌ民族など)にも目を向け、より人を理解する心を育むこともできます。

英語の勉強に関していえば、生徒には、“about myself”, “about my school” , “about my country”について言えるようになれ、ということを伝えています。これらは単に英会話を習えば話せるというものではありません。たくさんの人々とディスカッションを通じて、自分自身を知り、自分の生まれた町、生まれた国を知ることでより深く言葉を発することができるようになります。「言葉はその人自身」ですので、言葉の重みを理解することにもつながります。「英語を話せるようになりたい」という日本語も英語にすると”I want to improve myself in English”とも言います。すなわち、英語を学ぶことで自分を変えたい、ということです。

これから海外の大学を目指す生徒には、やはり、最初の目的を成し遂げること、そして脱落しないことを願います。そのためにも事前の準備教育は不可欠ですし、英語力だけでなく、礼儀作法や精神的な自立心などを養うことも大切です。

海外進学を希望する生徒の保護者や先生の皆さんに伝えたいことは、反対する前に、まずは、本人が希望する教育機関に、一緒に足を運んで、自分の目で確かめて欲しいということです。たとえばNICを希望しているのであれば、実際にNICの校舎に足を運んで、施設をみて、そして教授や在校生と直接話をしてみること、そうすることで、より深く、知識を得ることができると思います。

以前当校からNICに入学した生徒も、成績的には明治大学にそのまま進学できましたが、その明治大学への推薦を蹴ってNIC入学を決めました。最初にお話した通り海外進学を目指す生徒は概して目的意識が高いです。そういった高い志をぜひ大切にしてあげて欲しいと思います。

最後に、海外進学を目指す生徒には次の本を読んで欲しいと思います(岩波や講談社から文庫が出ています)。そして世界に日本の素晴らしさをどんどん伝えていって欲しいと思います。

  • 岡倉天心 『The Book of Tea』
  • 新渡戸稲造 『Bushido: The Soul of Japan』
  • 内村鑑三 『Representative Men of Japan』