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同窓生インタビュー
<2003年秋>
吉村大さん NIC第13期生 福岡県立門司高校出身
カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校 映画学部 3年
「ザ・ロック」のマイケル・ベイ監督に憧れて、サンフランシスコへ、映画学科へ。
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サンフランシスコのダウンタウンからMUNIに乗って30分。下車するとすぐ目の前がSFSUの校門。モダンな学舎と緑の樹影が美しいコントラストをつくる。学内のユニオンに隣接したマルコムX広場が指定の待ち合わせ場所。二世、三世も含めてアジア系の学生が多い大学と聞いてはいたけれど、周囲を見渡すと確かに欧米系以外の学生の姿が目立つ。テキストを小脇に抱えた学生の談笑の隙間にアジア系のコトバの響きがサンドイッチされている。建物と自然に加えてこのアジアン・テイストもひとつのコントラスト要素と感じていたところへ飛び込んできた元気な日本語。
■ ■ ■ ■ 「こんにちは!どうです、アジア系が多いでしょ!ぼくもビックリしました、入学したばかりの頃は」真紅のパーカーに長身を包んだ吉村大さんの挨拶。授業からというより、ロケの現場から駆けつけてきたような雰囲気。潮の香りただようキャンパスで、映画学を専攻して3年目。ちなみに、SFSUに所縁のある映画人といえば、まず芸術学部の元学部長がオーガスト・コッポラ。あの「ゴッドファーザー」のコッポラ監督の実兄であり、俳優ニコラス・ケージの父君である。そして卒業生に「リーサル・ウエポン」の黒人刑事ダニー・グローヴァー、「アメリカン・ビューテイ」の女優アネット・ベニング。ほかにも多士多才な面々がいますね、という話題から取材スタート。
■ ■ ■ ■ 「海外留学の気持ちを固めたのは、高3の夏休みです。進学校だったので、まあみんなと同じように大学へ行こうと漫然とは思っていたんです。ただ自分が将来何をしたいのかがはっきりしていない。だから専攻の科目も志望校もしぼれない。皆目見当つかない。そんなときに、中学の時に観た映画を思い出したんです。『レオン』と『ブレイブハート』そして、将来は映画監督になってこういう映画を作りたいって幼いなりに考えていたことも」 「でも映画について勉強できる大学って、日本にはあまりないんですよね。それで、海外の大学を調べるとたくさんある」
■ ■ ■ ■ 「NICの存在を知ったのはちょうどその頃でした。全教科の平均点が4.0以上あれば指定校推薦入学OKも聞いたので、よし、と思いました。ところが勘違い!(笑)。確かに総合平均ではクリアですが、社会科目が3.8で、それじゃダメ。でも一般推薦試験で何とか合格しました。10月の後半でしたね。NICに入学してからは猛烈に勉強しました。高校時代、数学は得意だったんですけど、英語は並の学力でしたから、かなり勉強しないとついていけないんです。でも今度は目標があるから、がんばれましたね、シスコへ絶対行くぞっていう気持ちの貫徹!」
■ ■ ■ ■ 「劇場映画に限らず、ミュージック・プロモ・ビデオにも強い興味があるんです。4分から5分で1本のドラマに仕上げるあの映像と音楽のセンスに惹かれます。自分がいまいちばん憧れる監督は、マイケル・ベイ。彼もキャリアの振り出しはミュージック・プロモ・ビデオの監督でした。ティナ・ターナーなどの。それから、商業映画に進出して、『ザ・ロック』、『アルマゲドン』、あっ『BAD
BOYS』のシリーズも彼ですね。ミニシアター向けの静かな映画より大劇場での大仕掛けアクションエンタテインメントが好みなんです。卒業後は、ぜひベイエリアでそういう映画製作に携わりたいと考えています」熱弁はさらにつづく。 「アメリカに来て学んだ筆頭は交渉力!先日購入した愛車は粘って600ドル値切り3800ドルにしました!」。
■ ■ ■ ■ ところで映画監督という仕事は何十人、何百人という人々を現場でひとつに束ねる統率力にも長けていなければいけない。大さんは実は課外活動でSFSUの日本人会の会長である。充実した留学生活を送るため、そして日本に興味のある外国の人々にさまざまなプログラムを提供するため、活動している。ちなみに取材当日は、インターナショナル・エデュケーション・デイということで日本人会の学生が「生け花」について紹介中。和服姿の女子学生が会場入り口であでやかにスマイルコミュニケーション。そのイベントの企画運営の責任者が大さんだ。
■ ■ ■ ■ Go
For It!
がんばって。映画製作になにより必須なのは才能と粘り強い交渉力と統率力と志を曲げない貫徹力。たとえいっときシスコ名物のような霧に包まれたとしても、めげることはない。晴れない霧はないのだから。 |
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