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同窓生インタビュー

<2004年秋>
岩渕麗佳さん NIC第10期生 仙台育英学園高校出身
カリフォルニア州立大学フレズノ校 経営学部マーケティング学科卒
株式会社西友


異なる価値観を受け入れる
 
〜大学だけではなく海外で生活すること自体が「学び」だった

◆ウォルマートと提携した西友での希望通りの仕事


アメリカで生活すると必ずお世話になるウォルマート。近年、その世界最大の小売チェーンと提携した「西友」本部はスーパー激戦区・赤羽にある。岩淵さんにとって、そこで入社半年後から担当になったバイヤーという仕事はまさに学生時代から望んでいたものだ。
「宮城の気仙沼出身なんですけど、父親が水産物の流通の仕事をしていたこともあって、私も将来は…という気持ちがありました。でも水産物だけにこだわるのではなく、日本のいいものを海外に、また海外のいいものを日本に流通させたいということが基本にあります。」
ハキハキとそう語る岩渕さんだが、実は「西友」という会社は就職活動の前にはまったく知らなかったという。
「大学ではマーケティングを学んで、就職先には流通の会社を志望していたんです。色んな商品を扱ってみたかったので…。それでちょうどアメリカではよく行っていたウォルマートが西友と提携するというニュースを見て、『ここしかない!』と決めました。」他社もいくつか「練習」のために受けたものの、最終面接までは残るものの落ちまくった。
「理由は簡単で、その会社で本当に働きたいという気持ちがなかったのが相手に伝わったんだと思います。」
勉強も仕事も『これがやりたいという情熱』が大事。では岩淵さんの海外進学への情熱はどうだったのか?

◆父の助言や教えが海外進学へと導いてくれた

“ひとつの国だけにとどまるな。世界を見て大きな野望を持て!”
「もともと英語が好きだったということはあるんですけど、自分だけの考えで海外へ!という感じではなかったんです。父親が進学に関する色んな情報を探してきてくれて、『英語が好きなら、英語を学ぶんじゃなくて、英語で何か専門分野を学んだほうがいいぞ』と言われて…。」
海外に進学する学生の多くは、自分で希望して、反対する親を説得する。その逆を行く岩渕さんのケースは稀だが、それはやはり海を相手に仕事をする父親の価値観からか?そしてそんな「価値観」が岩渕さんの海外で得たもののキーワードになっている。
「英語を学ぶだけなら日本でも出来ると思うんです。私は、大学で学んだというより、アメリカで生活することで学んだことが大きいですね。それは色んな人種・国籍の人と交流することで、世界には様々な価値観があるんだと実感したり、日本では当たり前のことも海外ではそうではないと知ったり…。日本の外に出て、客観的に物事を見ることが出来るようになったことが最大の成果ですね。」
そしてそんな異文化経験がマーケティングにも生かされる。
「商品企画をするにしても、机の前に座っていてもいいアイデアは浮かばないですよね。市場に行って情報収集したり、売り場に行ってリサーチしたり…。自分の価値観で物事を見るのではなく、お客様の価値観に沿った商品開発をしなくてはいけない。あと、海外で開発された商品を見るときも、自分とは違う文化・違う世界の人間が異なった価値観の元で開発してるんだということを常に意識することも大事。」
ウォルマートから来ている社員も、西友の生鮮食品を扱うノウハウを学ぼうとしている意欲を感じさせると言う。
「日本の持っている、優れたノウハウをウォルマートに伝え、ウォルマートの持っている優れたノウハウを私達が学び取る。そこからより良いサービスが生まれてくると思います。」

◆大学4年で決まった「進む道」

海外で得るべきものは、客観的なものの見方と幅広い視野だと力説する岩渕さん。そうすることで将来進むべき道もだんだんとはっきりしてくるという。
「もともと明確な目的を持って海外に進学するというのは理想的ではあるけど、現実的ではないような気がします。私も結局いまの道に進もうと決心したのは4年生になってから…。専門分野を学び、色んな価値観の人と交流することで、次第に将来の展望が開けてきたような感じですね。」
だからNICで1年間教育を受けてアメリカに行ったことも大きかった。
「海外に行くのは、早ければ早いに越したことはないとは思います。でも準備は必要。行ってからアメリカ式の授業とかエッセイの書き方とかに苦労することで得ることもあるだろうけど、でも行ってからそんなことに苦労していたら遅い。ほかにやることがたくさんあるから…。」

◆考えることが大事

いま、日本に参入した外資系大手チェーンストアのなかには撤退を余儀なくされつつあるケースも出てきている。海外で成功したやり方をそのまま日本に持ってきても通用しないこともあるからだ。
「先日、イギリスに遊びに行ってきたんですけど、スーパーに寄ってみると氷の上に水産物が無造作に置いてあるだけ。鮮度や味に敏感な日本人には受け入れがたい…。現地の人にとってはそれはそういうものだからいいという感じかもしれないけど、三枚卸とかお造りとか、日本式の商品開発をもっと世界に伝えていきたいですね。」
「私はアメリカで学んだけど、別に大学はどこの国でもいい。どの大学に行くかとか、卒業することが目的ではなくて、いろいろな国に足を運び、日本だけでは知ることのできない、感じることのできない物や人と出会うことが必要。そういう意味では、多種多様な価値観の人がいるアメリカでは、色々考えさせられるきっかけが多くて良かったですね。」
グローバル展開をする企業にとって、異文化対応ほど厄介な仕事はない。そしてそんな仕事が成功の明暗を分ける。若いうちから異文化の中で揉まれ、様々な経験をつんできた日本人の活躍の場がそこにある。


株式会社西友:
全国に400以上の店舗を展開する総合小売チェーン。米国ウォルマート傘下となり経営改革を推進中。住友商事とも協力関係にある。環境活動にも力を入れており、1997年、小売業として世界で初めて環境マネジメントの国際規格ISO14001をマルチサイト一括で取得。子供たちの環境教育やエネルギーマネジメントにおいても社会に貢献している。


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