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同窓生インタビュー

<2004年秋>
小尾知美さん NIC第10期生 長野県立諏訪清陵高校出身
カリフォルニア州立ビュート・カレッジ 観光学科卒
株式会社大韓航空 キャビン・アテンダント


経験は学問に勝る
 〜実のある回り道を経て、念願のキャビン・アテンダントに

◆好きな仕事

いつまで続くのかわからないヨン様ブーム。便乗ビジネスは多いが、そうするまでもなく大いに恩恵を受けている会社がある。韓国のナショナル・フラッグ・キャリアとして日本13都市と韓国を結んでいる大韓航空だ。
「やっぱり日本からの乗客の方の数は増えてますよ。イメージアップにもなっていいですね。でも同僚の韓国人クルーはみんな不思議がってます。なんであんなに人気があるんだって…。」
笑いながらそう話す小尾さんはキャビン・アテンダント(CA)になって3年目。
高校の頃から希望していた仕事が出来て、充実した毎日を過ごしている。
「成田からのロス便とソウル便を同じ割合で乗務しています。結構休みは多いですけど、この仕事は思っていた以上に大変です。とくにロス便は時差が17時間もあるうえ1泊3日のハードスケジュール。理想と現実は違うことはわかっていたんですけどね…。」
とは言いつつも、好きな仕事だから、できるだけ続けたいという。
「私は色んな回り道をして、ようやくCAになれた。だから大変でも、この仕事を大切にしていきたいです。」

◆楽しかった学生生活

もともと叔母さんが国際線のCAをしていたこともあり、小さい頃からこの仕事に憧れていたという。
「中学の頃から英語も好きで、将来は私も…という感じでした。でも高3の夏、アメリカから交換留学生が来たとき、英語力の不足を実感して…。それで海外進学を決意したんです。」
NICを見つけて両親に相談、最初はやはり反対された。
「どうしても治安が悪いイメージがありますからね。私が日本から離れるのも不安だったみたいです。でも父が東京出張のときにNICを訪問し、スタッフの方から詳しく話を聞いてOKしてくれました。『2年で帰ってきなさい』という条件付きで。」
都内の親戚宅から通ったNICでは、特にリーディングとライティングの力が伸びた。
「もともと速く読んで理解するのが苦手だったんですけど、エッセイを書く課題が多かったので、両方の力が自然に身につきましたね。最後のフェアウェル・パーティーのときは、1年間やり通した達成感があって、すごく感動した記憶が残っています。」
そして無事にカリフォルニア州のビュート・カレッジに進学。観光学を専攻する。「地元と同じぐらい田舎で、過ごしやすかったですよ。1年目は寮、2年目はアパートをアメリカ人のルームメイトと4人でシェアして住んでいました。」
大学では教授がみんな観光業界で働いている人たちだったため、ほとんどの専門科目が夜間に行われた。
「色んな国の観光情報をリサーチして、クラスで発表したり…。あとユナイテッド航空で実際に使われている航空コンピューター・システムも学ぶことも出来ましたよ。」

◆回り道したけれど

2年で無事に卒業した小尾さんは、1年間ロサンゼルスの旅行代理店でインターン。
「もちろん仕送りはなくなったし、最初から一年間で辞めて帰国するつもりでした。」
ロスではNIC時代の友人がいたため、ダウンタウンのアパートをシェア。
「自分の顧客もでき、大学で学んだことも実社会で生かすことができ、やりがいはありました。でも、日本でCAを募集しているのを見つけて、ヴィザが切れる前に帰国しました。航空会社をいくつか受けて1社は最終面接までいったんですけどダメでしたね。」
航空会社に応募し続けながら、地元のホテルでも働いた。
「フロントに配属されたんですけど、小さいホテルだったので、人手が足りないとレストランとかハウスキーピングの仕事もしましたよ。」
そして働きが認められて準社員にもなった頃、大韓航空から採用の知らせを受けた。
「同期入社の中では最後に内定が出て、採用一週間後にはもうソウルでトレーニングを受けていました。急な話だったのに快く送り出してくれたホテルの方には感謝しています。」

◆経験を生かす

旅行代理店、ホテルと、回り道はしたものの、いまその経験が凄く役に立っている。
「ビジネスクラス担当なんですけど、ホテルのレストランでコース料理を出していた経験もあるし、ワインの知識もついてたりして。この仕事は狭い空間で、時間という制約もあるなかで、最大のサービスを提供しなければダメ。だからバイトでも何でも、サービス業に携わった経験というのは大事なんです。臨機応変に対応するためにも。」
同僚に留学経験者は多いものの、大学へ進学して卒業した人は少ない。
「海外の大学を選んで良かったのは、国籍を問わず友人が出来たこと。あと3年間海外で生活して、自立心が養えたし、視野も広がったと思います。親元を離れたことで家族のありがたさも実感し、人と人とのつながりを大切にしようという気持ちも芽生えましたね。日本の大学に行ったら、英語しか学べなかったかも…。」
経験は学問に勝るという。最初から希望の仕事につくことは一見ベストに思えるかもしれない。でも回り道をすると、そこでしか得られない経験がある。それは海外進学も同じ。CAになるのに海外進学は必ずしも必要ない。でも、そこには何かがある。それを小尾さんの笑顔が物語っていた。


株式会社大韓航空:
SKYTEAMアライアンスの創立メンバーであり、韓国のナショナルフラッグキャリア。1969年に韓進グループの趙重勲現会長が国営であったKorean Air Lines(KAL)を引き継いでから、2004年で創立35周年を迎えた。今日では117機を保有し、世界31ヶ国80都市を結ぶ、世界トップクラスの航空会社に成長した。


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