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同窓生インタビュー

<2003年>
池田容紀さん NIC第13期生 東京・松蔭高等学校出身
ファッション・インスティチュート・オブ・テクノロジー(FIT)ファインアーツ専攻

好きなことをやればいい。つらくても頑張れるから。
雨上がりのニューヨークの午後。待ち合わせ場所のマンハッタンの中心、通称「ファッション・ディストリクト」と呼ばれるアパレル街の交差点に現れた池田容紀さんは現在、ファッションの名門FITでファイン・アーツを専攻する2年生。お洒落な学生や奇抜な格好をした学生が行き交う学校のすぐ前のカフェで、留学に至った経緯、将来についてなどを語っていただきました。

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高校の頃からFITで学ぼうとは考えていました。でも留学を実際に決めたのは周囲への“逆切れ”でした(笑)。

「あーっ、もういい、私は行く!」
日本の大学に行くか留学するかで迷っていた頃、色々周りの友人とかに相談してみたんですが、みんな「何言ってるの?」みたいな感じで・・・。私の夢を理解してくれず、やめろとか考え直せとかうるさかったので、もうほとんど逆切れの状態で留学を決めました(笑)。もともと日本の大学でやりたい勉強が出来そうになかったし、ちょっとでも他人と違うと押さえつけられてしまうような日本の感覚に反発はあったし。

中学の初めぐらいからよくファッションショーを見るようになったんです。それでカルバン・クラインとかラルフ・ローレンとか有名なデザイナーがみんなFIT出身だと知って、高校の時にはもうこの学校に来ようとは思っていました。とはいうものの現実は進学校の特進クラスにいて、周りはみんな有名大学を目指している環境。なかなか踏ん切りはつかなかったんです。でも中学と高校で担任だった先生が帰国子女で「君にはアメリカが合っているよ」と言われてはいましたから、迷ってはいたけれど、なんとなく私はアメリカに行くという気持ちは常にあったと思います。

もともと中3の夏に母の勧めでロサンゼルスにホームステイに行って、アメリカは気に入っていました。その年の冬にも同じ家庭にまたホームステイに行って、次の年の夏には今度は高校の交換留学プログラムでユタ州にも行きました。空気が自分にあっていましたね。あと中学のときから近所のインターナショナル・スクールにも友達がたくさんいて、その空気に惹かれていたのかもしれません。見かけばっかりにとらわれない友達関係が好きでしたね。

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逆切れとは言うものの、何かに引き寄せられるように留学を選んだ池田さん。もともと芸術肌の家系で育ち、周りに流されることを嫌い、自己主張が強かったといいます。

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やりたいことと好きなことを天秤にかけた。たまたまやりたいことが得意なことだった。

留学を決めた後は、NICかレイクランド大学ジャパンの2つに選択肢を絞って考えてました。両方ともただ単に留学斡旋するのではなく、日本でじっくり準備するというところが気に入ったんです。結局たくさんの色んな大学への進学実績があるNICを選びました。成績は悪かったですけど、クラスのレベルは着実に一つずつ上がっていきましたね。

渡米後はMVCC(モホーク・ヴァレー短大)に1年間だけ行って、すぐにFITに編入しました。まずはファイン・アーツで準学士号を取ろうと思っています。その後、ファブリックで学士号を取って、それからアート系の名門メリーランド美術大学で修士号を取る予定です。

もともとファッション・デザイナーを考えていたんですけど、志望者が多くて競争が激しそうだから、得意なファブリックに的を絞りました。祖父が画家志望で、父も出版関係の編集プロダクションを経営してるような芸術一家なので、昔から絵を描くのが好きだったんです。周りからも「色使いがファブリックに向いてるね」とよく言われてたので、「これだな!」っていう感じですね。


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好きなこと、得意なことを磨くことで、他人との差別化を図る。平均化を求める日本と違い、それを受け入れる環境がアメリカにはあります。そしてその環境に、池田さんの元来の自己主張の強さがうまく調和しつつあるように見えます。

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好きなことをやればいい。つらくても頑張れるから。

小さいときから父が苦労している背中を見て育ってきました。つらそうだけど好きなことをやってるから頑張れるんだと思っています。だから、私も自分のやり方で好きなことをやっていきたいです。

他人の言うことって当てにならないことが多いですよね?だからといって全く耳を傾けないのではなく、頭の隅のほうには入れておくんですけど・・・。他人の言うことに従ってあとで後悔するより、自分に忠実に行動すればいい。やってみて違うと思ったら、やめればいいだけの話。考えるより行動ですよね。

留学するといったときも、両親にはかなり反対されましたが、私の選んだ道なのですぐに理解してくれました。今ではアメリカからの留学生をうちにホームステイさせてるぐらいです(笑)。


10年後のことなんてわからない。NYにいるのかLAにいるのか、それともパリ?

こっちに来て良かったと思います。周りを気にしなくていいというか・・・。とくにニューヨーク・シティーはみんな急いでいて、誰も他人のことを気にしていない。でもそれは悪い意味ではないんですね。差別を感じることはないし、日本人留学生だからと特別扱いされることもない。こんな環境に私はまったく違和感がないんです。

将来はデザイン関係の仕事をしていきたいです。FITはデザインとアートの専門の学校ということもあって、学生の8割が女性です。ゲイも多いですね。こんな中で感性が磨かれていくと思っています。いま住んでるところもブルックリンのウィリアムズバーグといって、芸術家がたくさん住んでるし。

将来ですか?10年後、私はどこにいるんだろう?って考えたとき、答えが出てこないですね。ヨーロッパ、とくにフランスもいいし、ニューヨーク、ロサンゼルス、・・・。もともと周りからは、どこに行ってもやっていけるタイプと言われてるので、どこかで頑張ってると思います。興味のないことはやらず、好きなことをやりながら・・・。

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まさに「わが道を行く」という感じを強く感じさせた池田さん。自己主張をしなければ生きていけないアメリカの空気が合っているようですが、重要なところでは他人の意見に耳を傾けてきたことが窺い知れました。みんなが自己主張するから、逆に他人の意見も聞くようになる・・・。よく留学帰りは自己主張が強すぎると日本社会では敬遠されがちですが、大事なのはこのバランス感覚なんだと思います。このバランス感覚さえあれば、「どこに行ってもやっていける」はず!

FIT(Fashion Institute of Technology)
アメリカ屈指のファッション・アートの専門大学。
カルバン・クラインをはじめ、ファッション業界で活躍するデザイナー多数。イラストレーション科をはじめデザイン科、ファッション・マーケティング科など、ファッションに関わるあらゆる知識が学べる。2年制、4年制、夜間、短期プログラムなど、そのコースも豊富。学生のみならず、仕事後に専門知識を学びに来る社会人の数も多い。ニューヨーク・マンハッタン27th Street & 7th Ave.



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