TOP
第19期生
第18期生
第17期生
第16期生
第15期生
第14期生
第13期生
第12期生
第11期生
第10期生
第9期生
第8期生
第7期生
第6期生
第5期生
第4期生
第3期生
第2期生
第1期生
同窓生インタビュー

<2004年秋>
並木久美子さん NIC第13期生 千葉県立長生高校出身
カーディフ大学生物科学部遺伝子学科

「いま、幸せです。」

「人生をやり直せたとしても全く同じように過ごしたい・・・。」UKP第1期生としてイギリスに留学して2年半。中世の古城とお洒落なショッピング街、そして大学がバランスよく配置されたカーディフの街で充実した学生生活を送る並木久美子さんは、ゆったりとした口調で幸せそうに今の素直な気持ちをそう表現する。
なぜそんなに充実しているのでしょう?その理由を大学近くのカフェで語ってもらいました。



「留学には向いてない」と言われ・・・。


中学の頃から留学には漠然とした憧れを持っていたんですけど、まずは日本の大学に行って、大学院で留学しようと考えていたんです。でも、高校に入ってからふと目にしたNICのインタビュー記事を読んで、留学への憧れが強まったというか・・・。大学から海外で学んだら人生がこんなふうに変わるんだ・・・、海外の大学には日本の大学にはないいいところがこんなにあるんだ、やっぱり私も大学から海外で学びたい、と思うようになったんですね。でも、進路の先生は「君は留学には向かない感じがするから、交換留学ぐらいの方がいいんじゃない?」って言うし、自分でも「向いてないのかなー」と悩んだこともありましたけど、高2のときにNICに見学に来て以来、留学以外の道は考えられなくなっていました・・・。両親は基本的には留学賛成派でした。父は、海外に出て学べることは多いだろうし、これからの時代は留学もいいだろうって言いつつも、やはり私が外国でやっていけるのかって心配はたくさんしたみたいでした。母はむかしから外国に憧れがあって、私には海外に出る仕事とかを期待していたくらいで、今でも凄く応援してくれています。結局、向いているとかいないとかは関係なくて、本人がやりたいのかやりたくないのかということが大事だということだと思います。本当にやりたいことなら出来ちゃうものだし、本当に出来ないものだったら、きっと始めからやりたいなんて思わないはずだから・・・。

人がみんな優しい

カーディフでは遺伝子について勉強しています。もともと理科系科目の好きな人間で、中学の頃は特に化学が好きだったんですよ。でも高校に入ってから、化学の先生の教え方が私には合わなくて嫌いになってしまいました。そのあと出会った生物の先生の授業がすごく面白く、特に遺伝子と免疫の分野のなかに感動したことがたくさんあって、大学では『生命の神秘』みたいなものをもっと学んで感動したいと思ったんです。でも、ファウンデーション・コースを取ったカンタベリーでは化学の先生がとても熱心で丁寧で、わかるまで完璧に教えてくれたので、今はまた化学も好きになっています。1年次終了時に生化学部への移行を真剣に考えたくらい。それでも、悩んだ末に選んだのは最初に希望していた遺伝子学でした。いい先生に出会えるかはその人の運だけど、一人でも二人でも、そんな先生にめぐりあえた私はラッキーだと思っています。
人との出会いは本当に不思議なめぐりあわせなんですよね。ここでの出会いは更に更に素晴らしいものばかり。とくに人の優しさを強く感じるようになりました。みんな本当に優しいんですよ。大学で最初の授業にさっぱりついていけなかったとき、教授の部屋を訪ねていったら話を聞いてくれて、こう言われたんです。「イギリス人学生でも、違う学校から来ている同級生のほうが自分よりも多くのことを学んで知っているんじゃないかって不安に思っているんだよ」って・・・。なぜかその言葉は忘れられません。
もちろん友人の存在も忘れられません。私の学部には学生が200人いるけど留学生は3〜4人。友達は私のことをいつも心配して、助けてくれます。「レポート、書き終わった?チェックしてあげるよ」とか、プレゼンがあるといえば「練習につきあってあげるから、下書きができたらもってこい!」とかって・・・。私の『家庭教師』みたいになった人もいました(笑)。友達の間ではイギリス人同士で方言を面白がって真似っこしあったりしていて・・・。最近、あるイングランド人の友達はウェルッシュ・イングリッシュのイントネーションをマスターしつつあります。楽しい環境です。去年の夏休みに日本に帰る時は、朝早い出発だったのに、早起きして見送ってくれた友達もいて、別れるのは辛かった。日本へ着いてしばらくはちょっと怖く感じました、人が・・・なんか違うような気がして。

勉強するにも生活するにも最高の環境

イギリスを選んでよかったですよ。もともとアメリカに留学しようと考えていたんですけど、イギリスの古い歴史とか、ファウンデーション・コースがすごく少人数できめ細かい教育をしているとか、大学では1年目から専門科目だけをやっていけることとかにすごく惹かれてイギリスに決めました。
カーディフはファウンデーションの進路の先生が薦めてくれたんですけど、街はウェールズの首都だけあって、それなりに大きくて便利なのに、家賃はロンドンの3分の1ぐらい。緑も多くて、美しい都市です。治安もいい、けど雨は多い。学校の図書館は毎日開いているし、PCルームは24時間つかえます。娯楽施設も学校周辺にたくさんあって、学生でにぎわっています。本当に学生の街、って感じなので学生として住むにはすごくいい環境だと思います。

卒業したら日本に帰るつもりです。はやく働きたいです。何をやるかはまだ決めてはいませんけど・・・。英語を使う仕事よりは、学部の専門知識に関係することがしたいです。こっちではバイトとして『公文』で働いています。算数と数学を教えているんですけど、楽しいですね。私もこれまで先生の影響をたくさん受けているので、教える仕事もいいかなあと思っているところです。

いま、幸せです。

こっちに来てから辛いこととか色々あります。でもネガティブにはならないですね。昔だったら「なんでこんな目にあうんだろう」とか「あんなことがなかったらよかったのに・・・」とか思うことも多かったけど、いまは「あんなことがあったから今の自分がある」と思うから、「今辛いことがあるから将来がある」とすべてをポジティブに受け入れることが出来ています。人生やり直せたとしても、ぴったり同じことを繰り返して、またここに居たい。
あと最近特に感じるのは、欲がなくなったこと。人と競って何かを手に入れたいと思う欲ですね。以前は誰よりも出来る人間になりたいと思って、他人に対する意識や競争心が強かった。でも、いまは人おいうのは競う相手というよりは、大切にしたい存在で、自分の求めるものは自分だけのものさしで測られた幸せです。他人がどう思うかは気にならない、誰かにとって価値のあるものが、私にとっても同じように価値があるとは思わないから・・・。競争して人に勝ちたいと思うことも大切だけど、私にはそれはなくていいんです。自分に本当に価値のあるものだけを求めています。イギリスに来た影響です、ここですごくいいことたくさん学んでます。


いいことも悪いこともすべて自然に受け入れ、それをポジティブな方向に持っていく。それが出来る人は、人に優しくなれます。そして、優しさは人を幸せにする。人を幸せに出来るのは、幸せな人だけ・・・。
並木さんは本当に幸せそうでした。周りのブリティッシュにもその幸せさが伝わっているはず。
留学して勉強に励むことは当然ですが、そんな人間の奥深さを感じることも留学の醍醐味。それを再認識させられたインタビューでした。



カーディフ大学 http://www.cf.ac.uk


>第13期生トップに戻る

Copyrights c 2003- NIC International College in Japan All Rights Reserved.