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同窓生インタビュー

<2004年秋>
増田絢子さん NIC第14期生 香川県立高松南高校出身
カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校 人間科学部幼児教育学科

結果はすべて自分に返ってくる。
 〜もうちょっと頑張れば変われるはず。

◆将来は途上国の孤児院で働く

5人兄弟の上から2人目の増田さんは、根っから人の面倒をみるのが好き。
「高2の終わりの頃、施設に泊まりこみのボランティアを1週間ほどしたことがあるんです。そのとき思ったんです。将来こんな仕事がしたいって。」
でも色々調べてみると、日本の施設は充実している。増田さんはもっと周囲のサポートがないと生活が出来ない子供の手助けをしたいと思った。
「途上国で親のいない子供、戦争で親を失った子供、生活水準の低い環境で生活せざるを得ない子供…。そんな子供達は人生が制限されていると思うんですね。だから、何か手助けしたいんです。」
そのためには英語力と専門知識の両方が必要。
「海外進学を決めたのは高3の夏ぐらいですね。香川出身なんですけど、海外に進学する人なんて少ないので、先生はびっくりしてました。両親も最初は反対でした。だから私もかなり悩みましたよ。真剣に『何がしたいのか』を考えました。」
そして意志を固めた増田さんに周囲も理解をしてくれた。

◆学科消滅にもめげず…

「NICはそんなにたいへんじゃなかった」という増田さんは、希望どおり、SFSUのソーシャルワーク学科に進学。
「来る前までは『留学生だから特別扱いしてもらえる』と思ってたんですけど、まったくない…。全部自分でやらないと駄目。だから最初の頃は日々追われる感じでしたね。私はもともと計画を立てても、あまり実行できない性格なんです。いつも締め切りギリギリに終える感じで…。」
だから日本にいるときには気づかなかった自分の『なまける部分』に気がついたという。
「海外の大学まで来たからには、やっぱり勉強しないとダメ。でも周りのアメリカ人学生は余裕がある。私も流されそうになるときがあります。とくにプライベートに時間をあまり割けないときとか…。だから週末までにやらなければいけないことを週の頭に必ずチェックしたりして、自分をしっかり管理するようになりました。」
少しずつ勉強以外の面でも壁を乗り越えながらやってきた増田さんだが、どうしようもない問題にも直面した。
「カリフォルニア州全体で予算カットが行われているんですけど、そのとばっちりを受けて、ソーシャルワーク学科が消滅するんです。かなり有名な学科なのに、学生数が減っていることもあって…。他の大学に行くかどうかで迷いましたけど、調べてみると幼児教育学科でも私の学びたいことは学べると思ったので残ることにしました。」

◆平凡な人生は望んでいない

ソーシャルワークも幼児教育も「人との関わり合い」という点では共通するという。
「どちらも基本は、理解してあげること。幼児教育は心理学に近いんですけど、やることがそのまま子供の人生に関わってくる。子供に何が必要なのかを考えるけど、必要以上の助けは逆効果。間違った情報を与えてもダメ。子供のほうが感情面で素直な分、センシティブな面はありますよね。」
そして増田さんは学外で老人介護のボランティアもしている。
「日系人の介護施設で、80歳から90歳ぐらいのお年寄りの世話をするんです。『もう人生残り少ないんだから、どうでもいいんだ』っていうお年寄りの話を聞いて、物事をもっとポジティブに考えられるように返事をしていく…。一人一人過ごしてきた人生が違うから、同じ対応はできないけれど、話を聞くだけで喜んでくれる。たまにどう対応していいのか分からないときもあるけど、ベテランのボランティアの人から『出来ないことはあるんだから無理はしちゃダメ』と言われます。」

◆みんなもうちょっと頑張れば変わるのに

最近、高校時代の友人と話をする機会が多いという増田さん。彼らの話はもどかしくてしょうがないという。
「何をやりたいのかわからないという人が多いんです。日本は人に合わす社会。高校時代、私が『海外に進学する』というと『本当に? なんで?』と真に受けなかったけれど、いま『私もすればよかった…』って言う。私は昔から思っていました。自分が出来なかったこと、出来るのにやらなかったことを他人がやってるのを見たら後悔するだろうって。」
高校時代はバイトも出来るし自由だから、何も考えずに過ごしてしまいがちという増田さん。
「みんな、もうちょっと頑張れば変わるのにって思う。『とりあえず』で行動している人が多い。先を見通すことがすごく大事だと思う。海外に来て全てのことがプラスになるとは限らないけれど、周りを見ていると、みんな前向きに生きている。結局は、すべて自分が決めること。結果も全て自分に返ってくる。私は今、やりたいことが出来て、生活も充実している。だからこそ、みんなあと一歩を踏み出してほしいと思うんです。」
とにかく「平凡な人生はイヤ」という増田さん。
だからこそ学科消滅という問題にも、慌てることなく冷静に自分のやりたいことを見つめなおし、対応できたのかもしれない。

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