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同窓生インタビュー
<2005年>
酒井憲一さん NIC第14期生 愛知県立豊田南高校出身
エセックス大学社会学部
負のエネルギーをバネに
〜毎日がつまらないことを環境のせいにするのはやめよう!
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◆「海外に出ること」が夢だった。
「海外進学を考えている生徒に特に伝えたいことは?」そんなストレートな質問に酒井さんは即座にこう答えた。 「『好きにすればいい』ということだけです。最近、夢を持てない人が増えているって言いますけど、現実感がないんでしょうね。経験のないことを実際にやってみれば現実は見えます。そうすれば自分の将来という漠然なものも現実味を帯びてくるんではないでしょうか。」 酒井さんもまだ将来に対する明確なゴールがあるわけでもない。でも海外に出ることは当面の夢だった。 「単純に日本の学校が嫌いだったんです。受験のためだけの学習というか、国語さえも詰め込み教育で・・・。何のためにこんなことをやってるんだろうと考えているうちに、こんなことばかりをやっている人が集まる大学に行ってもしょうがないだろうと思って。高1のときでしたね。」 そして高2のときフロリダにホームステイ。その後、海外進学を決意した。
◆「そのままの自分」で居たかった。
NICを選んだのは「いくつかの学校を見学してみて学生が一番楽しそうだったから」。 でも入学後、自己嫌悪に陥ることが度々あったという。 「何というか、いま思い返すと頑張りすぎていたような気がします。それは『本来の自分』ではなかった。なぜか、目立たないといけないという意識が強くて、楽しんでいなかったんです。あと、 『こうあるべき』とか『ああしないと』みたいな偉そうなことばかり言っていた記憶がありますね。」 そんな酒井さんが「本来の自分」への回帰となるきっかけがイギリスとの出会いだった。 「もともとアメリカのことしか頭にはなかったんですけど、NIC時代の夏休みに1週間ほどイギリスを旅行したら、雰囲気が良くて・・・。落ち着いているし、時間の流れもゆっくりしているところとか。アメリカは何でもオープンで、やりたいことをバンバンやっていくというイメージがあって、自分にはしっくりきていなかったんですよ。」
◆異国だからこそ学べる「人との付き合い方」
渡英後は、こっちの空気が肌にあって、特に困ったことや壁にぶつかることもない。 「専攻は社会学です。他の学問はある程度のモデルがあるけど、社会学にはいろんな切り口があって面白そうだと思ったので決めました。クラスでは詳しいレクチャーがあるのではなくて、指針を与えられるだけ。それをもとに自分で学んでいくスタイルです。今学期はグローバリゼーションというクラスを取っているのですが、これが一番面白いですね。理論よりも実際の世界を学んでいる感じがするので。」 それはまた、実生活の場でも日々学んでいることと共通する。 「こっちに来て一番学んだことは、人との付き合い方なんですよ。日本にいるとみんな共通のバックグラウンドがあるので楽ですけど、ここにはイギリス人だけではなくていろいろな国からの留学生がたくさんいる。みんな別々のバックグラウンドを持っているから、それをどう乗り越えるかが楽しいんです。文化も言語も考え方も違うわけだから、たいへんですけどね。」
◆エネルギーの使い方は自分次第
冒頭に戻る。酒井さんは今、「海外に出る」という夢を実現している。 それは高校時代のあまりにつまらない学校生活への反発から生まれた夢だったかもしれない。でも酒井さんは断言する。 「日々の生活がつまらないことを全部環境のせいにするのはダメだと思う。環境なんて自分で変えていくもの。海外に進学したいと言って周囲に反対される人も多いでしょう。好きなことをするにはエネルギーがいると思います。でも本当にやりたければ、周囲を納得させるぐらいのエネルギーは簡単に出せますよ。」 学校がつまらないと、負のエネルギーがたまり、それを変な方向に発散させてしまうケースは多い。「変な方向」とは、「安易な方向」とも言い換えられる。 「周囲からあまりに反対されると、やる気が失せることもあると思います。どうやってモチベーションを維持するかも大事ですね。僕がどうやって維持したかですか?ただ単に、それだけ高校がが嫌いだっただけです(笑)。」 最近、たまに疲れることもあるが、すぐに立ち直るという酒井さん。その秘訣は? 「一日フテ寝すれば直ります(笑)。」 自分で選んだ道を進んでいる人の強さがそこにあった。
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