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同窓生インタビュー

<2004年>
渡邊元範さん NIC第14期生 茨城県私立土浦日本大学高校出身
サルフォード大学健康・社会福祉学部スポーツ・リハビリテーション学科

「前人未到」

「人のやらないことがしたいんです。」
学生が集まり、昼間からにぎわっている大学近くのパブで、止まることを知らずに熱く喋り続けた渡辺さん。
その心意気について語ってもらいました。



日本にまだない学問


専攻はスポーツ・リハビリテーション。聞いたことあります?ないですよね?だって日本にはまだないですから。というより、この大学で出来たばかりの学問なんですよ。イギリスでもまだ4つの大学にしかない。毎年40人ぐらいが入学してきて、いま3年目だから全部あわせても120人ぐらい。まだまだ発展途上ですけど、その分やりがいがありますね。
もともとイギリスでは理学療法が強くて、これは医者としてスポーツを見るというものなんですけど、スポーツ・リハビリテーションというのは、もうちょっと専門的にリハビリを中心としています。簡単に言うと、ケガをした人のケアのために専門的なアドバイスをする、スポーツ理学療法士っといった感じです。ケガを予防するためのアドバイスをするのはコンディショニング・トレーナー(conditioning trainer)の仕事で、これにはNATA(National Athletic Trainers’ Association)という有名なアメリカの資格がありますね。私の場合は、バスラット(BASRaT:British Association of Sports Rehabilitator’s and Trainers)という資格なんですけど、実はこの資格もうちの大学で出来たものです。まだ国際的な認知度はありませんし、イギリスでも認知度は無に等しいですから、本当にこれからの学部です。まずはこの資格を取ろうと思っています。

芝生が好きで・・・

私は小学生のときからずっとサッカーをやっていたんです。何と言うか、芝生が好きなんですよ。あの青さが・・・。それでサッカー関係の仕事に就きたいと思うようになって色々考えていた頃、担任の先生が色んな情報をくれたんです。。海外にはこんな資格があるぞとか・・・。高1のときでしたね。その先生は日本のトレーナーのあり方にすごく疑問を持っていて、付属の先生なのにむしろ「君は海外に行け!」って言うぐらい自由な雰囲気の先生で・・・。それで海外の大学について調べていたら、NICの資料にアスレチック・トレーナーになった人のインタビュー記事があったんですね。ああ、こういう道もあるのかと。
で、友人がジャパン・アスレチック・トレーナーズ機構に話を聞きに行くというので一緒について行ったんです。そしたらすでにもうたくさんの日本人がアメリカでトレーナーになっている。これはつまらないなと・・・。人と違う資格が取りたいと思って、こっちに来てからも色々調べていて、今に至ったというわけです。

勉強が面白くてしょうがない

こっちに来てからは、日本にいたときには考えられないぐらい勉強するようになりましたね。でもそれは別にイギリスに来たからではなくて、やりたいことをやっているからです。
あと、ある程度お金もかけていますから・・・。もともと両親は「留学は日本の大学を卒業してからでもいいんじゃない」という感じでした。なにしろ日大の付属高校にいたわけですから・・・。それをゴリ押しして来てますから、必ず卒業証書を持って帰らないとね。
いま、勉強するのが面白くてしょうがないんですよ。人数は少ないからアットホームな雰囲気で学べるし。
いまはまだ専門的な勉強を始めたばかりですけど、具体的なケースをもとに学んでいます。解剖学の授業では実際に検体の筋肉や神経をじかに触ったり、バイオ・メカニクスの授業では、走り方の研究、たとえばどこの筋肉を何%使っててそこをもう少し鍛えると無駄のない走りができる、とか・・・。あと、スウェーディッシュ・マッサージの実技とか、実際の選手のケアの方法などもやっています。

将来は信頼されるトレーナーになる

将来ですか?こっちで何年か修行して、日本に帰ってフットボール・クラブとかスポーツ・クラブのトレーナーになれたら最高ですね。その後は自分のスポーツ・クリニックを開く。
最近、日本人のサッカー選手とか、こっち(ヨーロッパ)に来て頑張ってますよね。見ていて気分がいいというか・・・。私もこの学部最初の留学生だから、何かこう気合が入りますよね。
今は本当に充実しています。いろいろパーティーとか誘ってくれる友人も出来たし。小学校から続けているサッカーも大学のクラブに入ってるんですよ。ディフェンダーです。毎週一回大学のリーグ戦をやっています。気晴らしには最高ですね。

最後に、私と同じようにスポーツ関連の資格に興味を持っている人に言いたいのは、「それがどれだけやりたいのか」を真剣に自分に問いかけて欲しいということ。別にたいていの資格は日本にいても取れますからね・・・。何をやるにしろ、本当にやりたいという気持ちがなければ吸収するものも少ないですしね。あとは決して満足しないこと。常に向上心を持って、自分の腕に磨きをかけていかないと、将来、信頼されるトレーナーになれませんから・・・。
あと、留学を希望されている学生は何でもいいからひとつの特技を身につけておいて欲しいですね。スポーツ、音楽、何でもいいんです。これらのものは言葉、国境関係ありませんから。うまいだけで人が集まる。友達ができますからね・・・。


ノリがよくポンポンと言葉が出てくる渡辺さん。まだ出来たばかりの学問を学べることが本当に楽しそうでした。やはり、やりたいことをやっている人というのは目の輝きが違います。
パイオニアとして是非頑張って欲しいと思いました。



サルフォード大学 http://www.salford.ac.uk/

BASRaT :British Association of Sports Rehabilitators and Trainers http://www.basrat.org

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