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同窓生インタビュー

<2001年>
市川梨紗さん NIC第9期生 千葉県・私立八千代松陰高校出身
ネバダ州立大学ラスベガス校ホテル経営学部ホテル経営学科卒
パークハイアット東京勤務


強い信念さえあれば、いつか必ずうまくいく。
留学はもちろん、人生だってきっとそうです。

留学志向の芽生えは小学校のときでした。小6のころから英会話の学校に通っていて、漠然と「アメリカで勉強してみたい」というのが、ちゃんとあったんですね。高校生のときには、通っていた高校の姉妹校がオーストラリアとニュージーランドにあって、希望は出したのですが、学内の選抜に通らなかったので、高校を卒業したら今度はぜひ留学したいと思っていました。

ホテルで働きたいと思うようになったのも高校生のころです。単純ですが、ドラマの影響と、それからもともと人に接することが好きだったので、毎日いろいろな人に会えるのが楽しそうだと思ったからです。両親も「ホテルで仕事をするなら英語は不可欠だから、留学してみなさい」と奨めてくれました。

NICに入学を決めた理由は3つあって、ひとつは留学する前の1年間で必要な英語力を身につけられるということ。それから英語の課程が早く終われば、日本でも単位が取れるというメリットがあったこと。そして最後は提携している大学の中にホテルに強い大学が入っていたことがありました。

NICでは、大げさでなく毎日勉強することが楽しくてしかたがありませんでした。最初こそ自分の言いたいことが、英語でうまく言い表せないもどかしさがありましたが、3ヵ月ぐらい経って、先生と基本的な会話ができるようになると、もう英語を学ぶのが楽しくて。何かを話すということのためには、自分で考えるということも大切だと気づき、やればやるほど実力が伸びていく感じでした。

渡米して最初に通ったのはリノ校です。というのは、NICで学んでいるあいだに、ホテルに一時興味を失ってしまいまして。もう一度自分のやりたいことを見つめなおそうと思い、リノ校に進学することにしました。リノでの最初の1年間は一般教養科目を学びました。リノにはNICから一緒に行った仲間がたくさんいたので、わからないところは教えてもらったり、一緒に図書館でがんばって勉強したりしながら、ホームシックになることもなく、楽しく学ぶことができました。最初は文化の違いに戸惑ったりもしましたが、慣れれば“住めば都”という言葉以上にアメリカがしっくりきてしまって。人はみな大らかでフレンドリーで、見知らぬ人にも「Hi!」と声をかけたり、困っている人がいれば「大丈夫?助けが必要?」と声をかけてくれたり。学生はもちろん、街の人も同じようにフレンドリーでしたから、そういう面で、すごく暮らしやすいと感じました。キャンパスも広くて、のんびりしていて、雨も多くなく、夏は暖かくて、リノでの1年はとても楽しかった。そういう印象です。

そんなふうに過ごしたアメリカでの最初の1年間のなかで、大きく変わったのは人生観でした。日本にいるときは、どうしてわざわざ狭く考えていたのかと思うほど、自分の人生に対して広い視野を持てるようになりました。もっといろいろ勉強して、社会を自分の目で見て、たくさんのことを吸収してから自分の人生を決めてもいいんじゃないかと、余裕をもって考えられるようになったんです。また、一方では自分の人生に対してシビアになることもできました。親元を離れて生活したことで、ひとりで生きる大変さとか、責任を感じるようになったので、そういう意味で成長したな、という実感がありました。

リノ校で学ぶうちに、もう一度あらためて、人と接する仕事がしたいと思うようになりました。アメリカで、先生や、ほかの国から来ている留学生や、街の人や、本当にさまざまな人と出会い、話をすることで、人と接することの楽しさをあらためて感じ、“やはり接客業をめざそう、どうせやるならホテルという舞台で働いてみたい”と決めたんです。そうと決めたら、いつまでもリノにいてもしようがないので、早くラスベガス校に編入しようと審査を受け、2年目の夏にはラスベガスにいました。ラスベガス校のホテル経営学部は、トータルで1,000時間の実践を経験していないと卒業させてくれない学部でしたから、ちょっと特殊なのですが留学生にも労働許可が下りるんです。ホスピタリティ分野であればどこで働いてもいいのですが、私は旅行会社で働くことにしました。

そこは現地の小さな旅行会社で、日本の大手旅行会社の下請けをやっていました。仕事は日本人旅行客のアテンドで、たとえば空港までお客さまを迎えに行き、車でホテルまでお連れしてチェックインの手続きを手伝ってあげるとか、ご希望があれば市内のツアーなどにご案内するという、現地添乗員のような仕事をやっていました。日本人の観光客がすべて英語を話せないというわけではありませんが、やはり苦手な方のほうが多いので、その方たちの通訳をするという意味を含めての現地ガイドなんです。難しかったのは、やはりお客さまによって求めているものが違うという、ホスピタリティの基本的な部分ですね。それから敬語や接客態度といったものももちろん勉強することができましたし、めざすホテル業界と分野は違っても、ホスピタリティの基本精神、お客さまによろこんでいただくための基本を身をもって経験できたので、とても勉強になりました。

ラスベガスは暮らしやすい街でした。24時間眠らない街、というのは本当で、スーパーもディスカウントストアも、どこもかしこも24時間営業しています。いつでも好きなときに買い物に行けますね。学校の図書館も基本的に夜は閉まっていますが、テストの1週間ぐらい前になると24時間開くようになります。

就職を決めたのは日本に帰ってきてからのことでした。もともと帰国するつもりはなくて、アメリカで働き先を見つけ、しばらくは向こうにいるつもりだったのですが、例のテロの影響でラスベガスも仕事が少なくなってしまって、仕方なく日本に帰ることにしたので。とりあえず帰って、それから就職先を決めようという感じでした。日本も就職難であることは覚悟していたのですが、知人に紹介をいただいて、あっけないほどすんなり決まってしまいました。これに関しては本当にラッキーだったと思います。友人などの話を聞くと、やはり短くても3ヵ月ぐらいかかったり、アメリカにいるころから小まめにレポートを出したり、履歴書を送ったりしている人もいたようです。

ずっと目標にしていた職業に就くことができ、いまは毎日楽しく仕事をしています。日々お客さまがいらっしゃいますが、それこそお客さまの数だけいろいろなご要望があって、それをできるだけかなえてさしあげなければいけないので、大変なときもありますけど、こういうことを考える人もいるんだとか、新しい発見があったりとか。私がいま働いている部署はホテルのレストランです。眺めがいいことで有名で、ありがたいことにそれなりに人気もあり、予約でいっぱいになってしまう日もよくある店です。それから当ホテルのお客さまは半分近くが諸外国からの旅行客なので、そういった面では、英語を使う場面もたくさんあり、お客さまと英語で会話できるということも楽しい仕事ですね。当ホテルでは、基本的にホテルのスタッフはもちろん、レストランのスタッフも全員が英語を話せるのですが、そういう中でも留学をしていたことで、ほかの人よりは話せるというメリットはあります。たとえば、ほかのスタッフから「ちょっとこれがわからないんだけど、助けてくれる?」と頼まれたりするときは“やっぱり留学してよかったな”と思いますし、お客さまから「あなたはきれいな英語を話すね」と言われたりすると、留学した価値があったと素直にそう思います。

社会人になって、大学時代からは想像できないほど我慢強くなった自分がいます(笑)。レストランなので、勤務時間も不規則なのですが、そういう中でもなんとか仕事をしていますし、遊びたいと思う日ももちろんあるけれど、明日の仕事を考えてやめておこうとか。まあ当たり前のことなんですが、学生時代の自分からは考えられないことというのが、たくさんあります。

もともと私はレストラン希望ではなかったので、将来は営業やマーケティングのほうに進んでいきたいと考えています。やはり自分で考えて、自分で物をつくり上げたいという気持ちが強いので、アメリカで学んできたことを生かして、企画の部分から関わっていきたいですね。たとえば、いろいろな宿泊プランを打ち出したり、人気のあるウェディングプランを組み立てたりという仕事もありますし、宴会場での新しいサービスや、パーティーの企画といった分野まで、ホテルの仕事は実はマーケティングが非常に重要なんです。時代のニーズを把握し、それに応えることができないと、ホテルというのは成り立たない部分があると思うので、そういう業務の核になるセクションで働くことが当面の目標です。

ただ単にアメリカに行ってみたいとか、ロスでカッコよく暮らしてみたいとか、そういう生半可な気持ちで留学をすると、たぶん挫けてしまうと思うので、強い信念をもって、どうしても留学したい何かを見つけてから留学してください。たとえば親に反対されても、きちんと説得できるほどの何かを持って行ったほうが、自分の将来にとっては必ずプラスになると思うので。そうやって日本を後にすれば、向こうで挫けそうになっても、耐えることができるし、まわりが助けてくれたり、なんとかなっていくと思うんです。強い信念さえあれば、きっとうまくいく。それは人生すべてに言えることですね。


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