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大学助教授 in USA

宮下瑞生
(第3期生)

モンタナ大学
助教授・言語学者
言語学プログラム ディレクター代理

アリゾナ大学大学院言語学博士課程卒、大学院言語学修士課程卒、言語学部卒
University of Arizona, Ph.D. in Linguistics, M.A. in Linguistics, B.A. in Linguistics

山形県立寒河江高等学校出身




◆まさか大学で教えることになるとは思ってもいなかった

「今までに沢山のいい先生との出会いがあり、教えることも好きだったので小さい頃から先生に漠然とした『憧れ』はありました。でもまさか自分が大学で教えるようになるとは思っていませんでしたね。」
そう語る宮下さんは言語学博士号を取得し、カンザス大学で1年教鞭を取った後、現在のモンタナ大学に移動してきた。
「ここはカナダとの国境を接するロッキー山脈の東側にある、学生数13000人強の中規模な総合大学です。」
ここでphonology(音韻論)を専門とする宮下さんは、大学学部生、大学院生を対象に講義やセミナーを行っている。学生には言語学を通して、『考える・学ぶ楽しさ』を知ってもらい、将来の生活に役立ててもらいたいと思いながら・・・。

◆ひょんなことからのめりこんだ言語学の世界

そんな宮下さんが言語学に興味を持ったのは渡米後しばらくしてからのことだった。
「まだ専攻が決まらずにいた頃、たまたま仲のいいアメリカ人の友達がパズルみたいな宿題をやっていて興味を抱いたんです。それが言語学でした。」
そのままのめり込んだ言語学の世界。いま行っているのは、アメリカ先住民の言語の研究だという。
「モンタナ州には7つのアメリカ先住民の居住区があり、それぞれに独自の言語があります。
それらは、日本のアイヌ語のようにあと何十年もするとなくなってしまうような言語です。
『言葉も文化なので無くなってしまうと寂しい・・・』そんな気持ちに応えて、自分たちの言語を復活させたいという人たちのお手伝いをしています。」

◆NIC時代から続くもの

「そういえば今度、私の研究成果が出版されるんです(*下部参照)」
それは大学院時代に「なぜ英語で俳句を作るとイメージが違うのか」という内容の論文をまとめたものだ。
「実はNIC在学中、簡単なリサーチのプレゼンをする授業があり、英語で作られている俳句について発表しました。『なんか感じが違う、これは俳句じゃない』という気持ちを上手く伝えられなかったんです。その事がずーっと気になっていて、大学院でまとめることができました。NICで学んだことが、こういう形で実を結んだんです!」

◆教授になるには?

アメリカの大学で教授になる。そんな夢を抱いている日本人は数少ないかもしれない。
でも初めから「なれるわけない」と思っているだけかもしれない。
そんな彼らへのメッセージ。
「この大学のこういう分野で仕事をしたいからといって上手く自分で仕組んでできるものではありません。いろんな仕事に対してもいえることですが、失敗は成功の母。
一度や二度の失敗でくじけず何度も挑戦する心構えと、常に何かを知りたいという好奇心、それから臨機応変であることが大切です。私はこの職を得る為に失敗もしたし、何度も挑戦しながら、アリゾナからカンザス、モンタナまで2000km以上も移動してきたのですから・・・。」



*“The Function of Pauses in Metrical Studies: Acoustic Evidence from Japanese Verse.”With Deborah Cole. In E. Dresher and N. Friedberg (eds). Formal Approaches to Poetry: Recent Developments in Metrics.
Published by MOUTON DE GRUYTER
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