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同窓生インタビュー

<2005年>
渡邊奈緒さん NIC第15期生 群馬県立太田女子高校出身
イギリス国立ロンドン大学SOAS校言語学部

アマノジャクな自己探求 〜常に自分としっかり向き合おう

◆日本を世界に伝えたい


欧米におけるアジア・アフリカ・中東研究において確固たる地位を築いているロンドン大学SOAS校。各国の外交官も学びに来るこの大学で渡邉さんは言語学を専攻している。
「日本語教師を目指しているんです。中3の頃、アメリカ人の先生が学校に英語を教えに来ていて、憧れて・・・。母国語を教えるために海外に来ているということに惹かれたんですよ。」
その後、高1の時にはオーストラリアで1ヶ月間のホームステイを経験。文法が出来ても会話が全く出来ず、言語はコミュニケーションのためにあることを改めて実感した渡邉さんは、教師への夢をますます強くする。
周りには「英語教師になりたい」という人はたくさんいた。でもいろんな国に行って母国語である日本語とともに日本の文化も伝えていきたいと思い、英語教師ではなく日本語教師を選んだ。
そんな「人とは逆に行く」性格は、これまでのいろんな場面で顔をのぞかせている。

◆みんなが進まない方向へ

「海外進学を決めたのは高3の夏です。日本の大学には興味がなかったというか、周りのみんなが名前だけで進学先を決めている状況に疑問を持って、『私は違う道を進もう』と思いましたね。」
それはNICでも同じだった。もともとはアメリカしか考えていなかったが、みんながアメリカ進学希望なので渡邉さんはふと立ち止まる。
「私は本当にアメリカでいいんだろうか?と考えてみたとき、『絶対アメリカで学びたい』という気持ちがないことに気づいたんです。そしてまた『他の人と違う道に進みたい』と思ってイギリスを選びました。」
高校の3年間を過ごした県立女子高でもグループ行動が苦手で、とにかく周りと同じ行動をするのが嫌いだったという。その背景には「個性を出したい」という前向きな思いと同時に、「神経質で行動する前に人を意識しすぎてしまう」という面もあった。
「実はそれは今でも変わらないんです。こっちに来てから、人に話しかけようと思ってもなかなか出来ない。英語力の問題ではなくて、相手のことを意識しすぎてしまうんです。もっと自然体にならないと・・・。」

◆自己探求の日々

自然体=自分らしさを常に探し求めているという渡邉さん。NIC時代の東京での1年間で最も印象に残っていることは?という質問に、「一人暮らしの部屋に一人でいたこと」と答えた。
「それまではずっと実家暮らしで、いつも必ず誰かがいました。でも東京ではうちに帰ると一人・・・。陰気な自分を発見しましたね。周りのみんなからは明るい性格だと思われていたから、話しても誰も信じてくれませんでしたけど(笑)。あの1年間で、離れて初めてわかる親のありがたみがわかりました。」
またNICで色んな価値観の友人と出会えたことで、視野も広がった。
「でもこっちに来て最初の1年間のファンデーションコースのときの衝撃も大きかったですよ。何というか生活水準が低くて、それまでのキラキラしていただけの海外進学のイメージをひっくり返されたというか・・・。寮は古くて床なんてギシギシいってるし・・・。でもこれも勉強のうちだと思ったし、日本と同じことをこっちに持ち込んではダメだと開き直ったりもしました。」

◆求めるのは「自然体」

色んなことを経験することで成長し、新たな自分を発見する。そのためには日本にいるより海外に出た方がはるかにいい。様々な価値観に出会えるからだ。
「ここで日本語を学んでいる学生はたくさんいるんですけど、彼らは日本語に興味があるというより日本自体に興味を持ってます。アニメだったり漫画だったりすることが多いようですけどね。日本はそういうイメージなんだと発見の毎日です。」
そしてそんな経験は、日本の受け身型教育への不満にもつながる。
「受け身だと、あまり考えなくてもいいから、将来をどうしていいのかわからない人間に育ってしまう。チャレンジする機会も少なくなる。それで、やりたいことがわからないなんていう人が増えてしまうんですよね。でも、やりたいことがないなんて言う前に何かやれ!って言いたい。」
だから最近は人にどんどん話しかけるようにしている。
「いままで変に『自分は外国人』と意識しすぎてきて、そんな自分が許せなかった。でも『日本だったらどうだろう?』とシミュレーションしてみると、どこの国にいても人はあまり変わらなくて、話しかけないと友達は出来ないですよね。変に意識せずに自然体の自分でいたいです。」
そんな渡邉さんの目下の不安は将来の就職。日本語教師という仕事は数が少ないからだ。
「でもこの前、実家に帰って父に相談したら『じゃあ自分で会社を作れば?』と言われた・・・そうなるとビジネスとか経営も勉強しておかないと(笑)。」やりたいことに向かって突き進んでいる人の前には道が開ける。

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