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同窓生インタビュー
<2005年>
山根百代さん NIC第15期生 東洋英和女学院高校出身 ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校 心理学部
「“受身”ではない海外進学」
〜「日本の大学に行って交換留学すればいい」という考えは捨てよう!
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◆エスカレーターを降りて変わった人生
朝や夕方、六本木周辺をランドセルを背負った子供がテクテク歩いているのを見かけることがある。普通に定期券で改札を通り、普通に電車に乗り込む彼ら・・・。いま、ロンドン大学で心理学を学ぶ山根さんもそんな子供の一人だった。 「私が高校までいたのは幼稚園から大学まである学園でした。埼玉から六本木まで通ってましたよ。ラッシュアワーにもめげず(笑)。」 山根さんが通っていた高校は小学校からの12年間の一貫校。小学校2年生のときから英語の授業もある国際性重視の学校だった。でも、ずっとエスカレーター式に進学していくうちに、消しようのない疑問が芽生え始めたという。 「このまま日本の大学に進学しても、カラオケとバイトと合コンの日々が待ってるだけなんじゃないか?それじゃ『つまらない人間』になってしまう・・・と不安になって。もっと広い世界で色んな人に会って、色んな異なる文化に触れて、いっぱい感動をしたい。そのためには海外に行くのもいいと思ったんです。」 もともと学校の近所のアメリカンスクールに通う生徒を駅で見かけ、ペラペラと流暢な英語を喋る彼らに対する憧れもあった。だから高2のときに受験雑誌でNICを見つけたとき『ここには何かがある』と直感したという。
◆波長の合う仲間ができたNIC
その後、一時は日本の大学進学を薦められたが、父親の一押しで無事NIC入学にこぎつけた山根さん。 NICでたくさんの『波長の合う仲間』に出会ってから、生活がとても楽しくなった。 「もちろん高校時代までにもいい友達はたくさんいましたよ。でも、エスカレーター式に進学しながら与えられたカリキュラムをこなしていく中で次第に勉強する意義を見失って行き、どんどん深みにはまっていく自分が怖かった。でもNICでは、海外進学という目標を目指して、互いに励まし合いながら一緒に学ぶ友達ばかり。環境は一変しましたね。」 そんな様子は、姉の海外進学に否定的だった弟をも動かした。 「一つ下の弟がいるんですけど、彼もNICに入学して、いまはケンブリッジのファウンデーションコースに通ってます。最初は留学のことを『逃げだ』とか言ってたのに(笑)。」 そんな山根さんだが、当初はアメリカ進学を考えていた。観光学を学んでフライトアテンダントになるか、心理学を学んでカウンセラーになるか・・・。その2つは今でも将来の選択肢ではあるが、行き先はアメリカ以外にはなかった。でもNIC在学中にイギリス進学説明会に参加してみて、惹かれるものがあったという。 「上手くいえないですけどヨーロッパの魅力を感じましたね。上品なイギリス英語をマスターしたいという思いも芽生えました。でも一番のポイントは専門科目を3年間みっちり学べるという点でした。」
◆ゆったりした時間が流れ心が和む環境
イギリスに来てからも、期待通りの充実した「学び」の毎日。 レクチャーは90人の大きなクラスだが、チュートリアルでは8人ぐらいのグループに分けられディスカッションとプレゼンテーションが行われる。 「いつも緊張しますよ。まだ英語は難しいし、みんなたくさん喋るし・・・。 でも、毎回のチュートリアルはとてもやり甲斐があって、課題をひとつこなすごとに達成感を感じるんです。」
◆短期留学では学べないモノ
生活環境にも満足しているという山根さん。フラットメイトとの交流から学ぶことも多い。 「ファンデーションコースのとき、韓国人の女の子と同じホストファミリーになったことがあるんですけど、「日本人は歴史を学んでいないんでしょ?」と聞かれたことがあって・・・。他のアジア圏からの日本へのイメージみたいなものを身に染みて感じました。でも、日本がどう思われているのかを知ることで、相手の気持ちをもっと理解しようという気になります。大学ではよく日本食パーティーをしたり、韓国料理を作ってもらったりして親交を深めたりもしています。」
卒業後はまだ決めていない。でもこっちに来てオプションが増えたため、じっくり考えたいという。 「日本の大学から1年間の交換留学でやってくる学生がよく言います。『ここで3年間はたいへんだねー』って。でも「学ぶ」ために来ているのだから、大変な方がいい。NICでこなしてきた数々のエッセイやリーディングが、イギリスの大学でもやっていける自信をくれました。それが、3年間大変かもしれないけれど楽しみながら過ごしていける確信にも繋がったと思います。」 短期留学と海外進学は似て非なるもの。それは車の後部座席に乗るのと、運転席に乗るぐらいの違いがある。それぐらい意識の違いが生まれる。 かつて六本木の喧騒の中をランドセル姿で歩いていた子が、今はゆったりとしたイギリスの自然の中を分厚い教科書を持って歩く学生になっている。山根さんは、その変遷の中からどんな心理学をモノにしていくのだろう?
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