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同窓生インタビュー
<2005年冬>
鈴木洋充さん NIC第16期生 宮城県立仙台第三高校出身
ローハンプトン大学心理学部
たくさんの知識よりも、たくさんの疑問を持つこと |
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◆勉強とダンスの両立
05年の6月にStafford House
Collegeのファンデーションコースを修了し、9月からRoehampton
Universityの心理学部に入学しました。今学期はSociology、Human Evolution、Foundation of
Psychology、Psychology of Learning、Research Method for
Psychologyを履修しています。先週に学期末のテストが終わり、2月の初めからまた新学期が始まります。 学位の名前を見てわかるとおり(BSc)、心理学ですが理系になります。文系(BA)としての心理学もあるのですが、BScの心理学の方が就職につよいと聞いていたのでBScを取ることに決めました。これからは、Experimental
PsychologyやCognitive Psychologyなど、理系としての心理学を深く学んでいく予定です。個人的にはAbnormal
PsychologyやCounselling
Psychologyに興味があるので履修したいと考えています。 勉強については、まだ1年目なので、表向き基礎科目ということになりますが、イギリスの大学は、はじめから専門に入っていきますので、とても難しいです(笑)。自分はファンデーションコースで心理学をとっていたのでそれが強みになっていますが、授業も、はじめから基礎知識があることを前提に進んでいきます。勉強量はNlCにいたときから変わりませんが、授業以外で毎日5〜6時問を予習と宿題に当てています。2年目からはもっと忙しくなるといわれています(汗)。 勉強以外には、週に3回Imperial
College内のダンスクラブとRoehampton
Uni.のダンスクラブに通ってブレイクダンスに励んでいます。NlCで(一生付き合っていくだろう仲問達と)ダンスを始めたんですが、これが今でも自分の心と体のバランスを保っています(笑)。 Roehamptonでは、アパートでシェアして暮らしています。イタリア人の女性と、コロンビア人の男性、トルコ人の男性2人でトータル5人で、大きなHouseを借りています。自分とトルコ人のひとりの学生以外はすべて社会人なので、大学生活とはまた別の意味で楽しく過ごせています。家賃は週に60ポンド(水道代一光熱費すべて込み+洗濯し放題)なので、月に4万8干円程度です。食費もほとんど自炊で月に6干円、小遣いも月6干円でやっています。親からは住居費や生活費は年問60万円の中ですぺてやるように言われているので、その中でやりくりしています。
◆「言葉」の大切さ
NlCの1年問はとても充実していました。自分の考えを言うことが求められるというのは、高校まではありえなかったことなので、とても衝撃的でした。多くのNlCの先輩が同じことを言っていると思いますが、こればかりは自分で体験しないとわからないことなので、NlCの体験授業を受けてみるといいと思います。また、これはイギリスに来てから特に感じたことですが、「言葉の大切さ」です。もちろんダンスやスポーツをきっかけに友達をつくることはできますが、その後にその関係を深いものにできるかどうかは「自分の言葉」が必要なんです。自分をさらけだすことができるか。自分の思いを伝えるのは最終的には「言葉」なんだということを改めて認識し重みを感じました。
◆自分と向き合うことでポジティブになった。
NlCやイギリスに来てからの生活の中で、何事もポジティブに考えるようになりました。高校まではネガティブに考えることが多かったし、自分のこともすごい嫌いでしたね。実は小学校のころからNBA選手としてアメリカに行くことにあこがれていました(笑)。でも中学に入り、高校受験のことばかり考えることが当たり前かのような毎日が「空虚」だったことを憶えています。そしてなんとか進学校に合格して進学したんですが、そこで、ただ大学受験のために、ずっと同じことを毎日繰り返し、バスケットボールをやることで不安の隙問を埋めていましたが、人生に対する「空虚」感はただ増す一方でした。また、その時期、学校でも家でも居場所がなく感じられ、「何故今自分がここにいるのか」、「自分はここにいていいものなのか」など考えはじめて、もしかしたらそれが、「心理学を学びたい」ということにつながったのかもしれません。 今は「帰る家がある」ことをとても嬉しく思うし支えにもなっています。ずっと抱いていた「空虚」感というのは、自分は果たして何をしたいのか、どうなりたいのかということで、自分とよく向き合い実行することでその感情はなくなりました。
◆たくさんの知識よりも、たくさんの疑問を持つこと
人問は複雑な思考を持ち、よく考える生き物だと思います。そして赤ん坊のような純粋さを失ってはいけないとも思います。子供はいつも「なんで?」とか「どうして?」と聞きますよね。そういう気持ちというのがとても大切だと思いますね。単なる知識は誰でも身につけられると思いますが、疑問は自分の「オリジナル」です。知ることは(自分に対しても他人に対しても)問いかけることであって、だからこそ「成長」につながり、そこから自分だけの持つ方向性というのが作られるとおもいます。もちろん疑問が深くなればなるほどすぐには解決できないですが、むしろしない方がいいと自分では思ってます。答えを出すことは時には容易ではないし、簡単には見つからないからこそ人生を歩んでいく上での糧になるのではないかと思います。 日本に帰って、中・高校時代の仲問に会った時、「ヒロミツは変わったなあ」とか「日本 の大学でやってるチンプンカンプンなことを英語でやってるってのはどうなの」などと言われました。実はたくさんの人が留学したいと思っていることも事実ですね。もちろん経済面での不安もあると思うんですが、それよりも、日本の中だけにいると「日本でも英語は学べるし」とか「環境を変えるのは不安」などと言って自ら留学を「遠い世界」にしているように感じました。しかしはっきり言えることは、日本で学ぶ英語と現地の英語には大きな相違がある。言葉は日々変わっているのは確かです。おそらく日本に伝わっている英語は10年も20年も前のものかもしれません。Body
Expressionを学べるのもまた現地でだけだと思う。そして環境が変わることは大きく人生が変わることで、いい方向か悪い方向かは自分次第と友達に言っています。日本は何でもモノがあふれている便利な国なので日本にいるだけで満足できているのかもしれません。 留学というのは俺にとって「自分の国ではできないことをとことんやること」です。もちろん勉強だけでなく、アルバイトや恋愛、趣昧もそれに含まれます。今イギリス人の彼女をつくろうと奮闘中です(笑)。バスケットを黒人のグループの中で勝負するということも日本では中々出来ないのではないでしょうか。大切なことは、とにかく「行動を起こすこと」だと思います。頭の中だけで考えていても、行動がなければ、それは「ゼロ」に近いし、0.1歩でも進めば、そこからいろいろ変わっていきます。自分自身を変えるためにもまずは最初の一歩(半歩でもいい)を踏み出すことが大事だと思います。
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