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同窓生インタビュー

<2005年初頭>
花岡則子さん NIC第17期生 東京都出身
大手都市銀行2004年1月退職 英語教授法専攻予定

若者には負けていられない  〜人は50代のうちに人生のテーマを持つべき

◆時代の波に流されて

「私は他の学生と違って、先のことははっきりとまだ決まってはいないんですけどね…。」
そう前置きをした上で話し始めた花岡さんは、周りの学生とは親子以上に年が離れている。
それでもあまり違和感を感じさせないのは、夢を持っているからだ。
「大学院で英語教授法を学ぼうと思ってるんです。若い頃から、英語の先生になるのが夢だったんですよ。」
30数年前、日本の大学の英語学科で好きな英語を学び、一時的な「腰掛け」のつもりで就職した都銀で、人生の半分以上を過ごしてきた。
「居心地が良かったんです。外為部門にずっといて、英語を使う機会も多かったですし…。」
花岡さんが勤めていた時代、日本はまさに高度成長期の真っ只中。輸出入に必要となる外為部門の仕事は、貿易立国・日本の発展を支える重要なものだった。
「私のいた都銀は、自由な雰囲気で、大卒女性を幅広く採用する唯一の銀行だったんです。同世代の女性が多く働いていて、恵まれた環境でしたね。」
英語の先生になりたいという夢は、いつのまにか心の片隅に追いやられていた。

◆両親の介護と勉強の両立

そんな花岡さんが再びその夢を追う決心をしたのは、50歳を過ぎてからだった。
「老後のことを考えたとき、旅行に行ったりお喋りしたりという『楽しさ』だけでは長すぎると思ったんです。人生の後半に、何か追い求めるテーマが必要だと思ったとき、若い頃からやりたかった英語の先生というものが頭に浮かんできたんです。それで決心したんですよ。」
その決心の裏には、もう一つのきっかけがあった。
「5年前、父が脳梗塞で倒れたんです。母は足の膝が悪いので、私が介護をしなければならない。まだまだこれから老後も長いので、介護だけだと限界が来ると思ったんです。介護というのは、人に対することではあっても、それは自分と向き合うことにもつながります。自分に満足感がないと、人に優しくすることなんて出来ないでしょう。」
55歳で都銀を辞めると心に決めた花岡さんは、その決心の通り、いまNICで学んでいる。
「介護と勉強。50:50(フィフティー・フィフティー)でやりたいですね。」

◆NICとその先の道

介護をしながらの勉強はかなり大変だという。
「入学するとき、『勉強は一日5時間』と聞いていたんですけど、とても5時間じゃ終わらない…。いまは少しは慣れましたけど、最初の頃は寝る暇もなかったです。銀行で働いていた頃のほうが余程楽でしたよ。」
それでも、英語教授法を学んで英語の先生になるという夢のために、あきらめるわけには行かない。
「NICに来たのは、TOEFLのスコアアップと、大学での学びの方法を習得するため。それに銀行時代からの頭の切り替えが必要ですからね。」
両親の介護があるため、NIC修了後もすぐには進学できない。しかし、「本当に教授法を見極めたいですね。若い頃から日本の学校で学び、仕事でも使ってきたけれど、あまり上達しなかった英語…。日本の教え方がすべて悪いとは言わないけれど、何かが足りないから、みんな英語を使えるようにならない。それを見極めたい。」

◆団塊の世代へのメッセージ

花岡さんはまさに、これから一斉に定年を迎えつつある団塊の世代。日本の高度成長期を「エコノミック・アニマル」とか「ワーカホリック」とか言われながらも支えてきた立役者たちだ。でもここ最近は元気がない。それがもどかしいという。
「むかし社会人向けの英語学校に通っていたことがあるんですけど、いろんな世代の人がいてね。もう一度やり直したいという欲求はみんな持っているんです。団塊の世代というのは、やりたいことがやれなかった人たち。私の周りにも、夢をあきらめた人がたくさんいました。だからこう言いたい。『本当にやろうと思うのなら、今からでも遅くはない。やればいい』とね。」
何十年も仕事の現場で様々な経験をしてきた団塊の世代は、問題意識を持っている人が多いという。それは教科書で学んだものではなく、現場で肌で感じてきた貴重な財産だ。花岡さんは、そんな『教育分野の貴重な財産』を生かす一員になりたい。
「これまでの人生を信念を持って生きてきた人は、なにか自分の核になるものを持っているんです。色んな事情はあるだろうけど、その核を持った上で、もう一度何か人生にテーマを持って、挑戦して欲しいですね。だって18,9歳の若者にはまだ負けたくないじゃないですか。」
学びに年齢は関係ない。場所も関係ない。ただそこに知的好奇心さえあれば…。
団塊の世代が元気になれば、若者もうかうかしてはいられなくなる。フリーターなんて、やっている場合じゃなくなる。日本再生の処方箋の一つがここにあった。



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