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同窓生インタビュー

<2004年>
鎌田幸江さん NIC第12期生 千葉県立松戸国際高校出身
ネバダ州立サザンネバダカレッジ(CCSN)観光学科卒
新東京旅客サービス株式会社勤務(全日本空輸株式会社(ANA)のグランドスタッフ)

「小さな努力の積み重ねが大きな実となり返ってくる。
夢を叶えたい、その思いを忘れずに頑張って。」


今から数年前、サンフランシスコ空港で不安そうに辺りを見回す一人の日本人高校生がいた。短期留学からの帰国中、乗り換えのために降り立った空港で日本便への搭乗がいつまでたっても始まらないのだ。英語のアナウンスはよく聞き取れず、不安と戸惑いで途方にくれていたとき、聞き覚えのある言葉が聞こえてきた。“ノースウェスト航空00便成田行きをお待ちの皆さま・・・・”
「日本語だ!助かったー・・・。えー、でもここで日本人が働いてるんだ!」

そのときサンフランシスコ空港にポツンと座っていた高校生はいま、成田空港でグランド・スタッフとしてバリバリ働いている。
「あのとき空港で見た日本人スタッフの方が輝いて見えたんです。世界中の人々が行き交う国際空港で働いている日本人女性・・・。憧れましたね。私も絶対グランド・スタッフになろうとそのとき決めました。いま、夢が叶って毎日が充実しています!」


・・・・・・・・・・・

●役立つ異文化経験

鎌田さんが勤務するのはANAグループの新東京旅客サービス株式会社。ANAのみならず 外資系航空会社十数社から成田空港での旅客ハンドリング業務を受託している会社である。2003年12月に入社し、ちょうど8ヶ月目の鎌田さんの担当は台湾のエバー航空だ。
「毎日覚えることがたくさんあって息つく暇もないほどですけど、もっと努力して早く一人前になりたいです。8月からはエバー航空とともにウズベキスタン航空も担当することになります。航空会社によって仕事の仕方が違ってくるので大変ですけど、先輩の中には4〜5社を担当してる方もいるんですよ」

毎日、世界中の人々が様々な思いを胸に利用する国際空港。そんな一種独特の雰囲気をかもし出す舞台で、快適な旅をサポートするグランド・スタッフの役割は大きい。
「接するお客様の半分以上が外国の方です。外国の方にはただ英語で対応するだけではなくて、異文化を理解して接することが大事だと思うんです。そこで私の留学経験はすごく役立っていると思います。いろんな国からの留学生もたくさんいたし、自分自身が異文化の中で様々な経験が出来ましたから」

●順風満帆にはいかなかった海外進学への道

鎌田さんが留学したのはネバダ州ラスベガスにあるサザンネバダ・カレッジ。専攻は観光学だった。もともと高校では国際教養科に通い、交換留学も経験していた鎌田さんにとって海外進学への壁はそんなに高くなかったのではないかと思いきや、そこまでの道のりはそんなに平坦なものではなかったという。
「もともとコンピューターに興味があったので日本の大学で情報システムについて学ぼうと考えていたんです。でもサンフランシスコ空港でのハプニングがきっかけでグランド・スタッフという仕事の大切さがわかったんですね。それにコンピューターを仕事にするんじゃなくて、仕事でコンピューターを使えばいいという発想の転換をしてみると、空港での仕事はコンピューター無しでは始まらない・・・。もう夢はグランド・スタッフになること一本に絞りました」
そして同時にバイリンガルになる必要性も感じ、海外進学を考え始めたという。むかしスチュワーデスに憧れていた母親は「まあ、いいんじゃない」という感じだったが、ご多分に漏れず父親は大反対。ただ、英語が不十分な状態での学部留学に反対しているようだったので、1年間、大学レベルの英語力を身に付けて渡米するというNICの仕組みを話して説得。無事にNIC入学が決まった。

「高校のときから接客が好きでNICに入学する少し前からディズニーランドでアルバイトしてたんですが、NICに入ってからは土日のみフルタイムでアルバイトしました。このときの経験も今の仕事に生かせていると思います」

忙しくアルバイトしながらも勉強にもしっかりと取り組み、1年間で所定の成績もクリアし無事修了。しかし、家庭の事情で1年間渡米を延期して日本でアルバイトをすることになる。しかしグランド・スタッフになるという明確な夢を持っていた鎌田さんは、しっかりと成田空港でのアルバイトを見つけた。
「センダーという仕事なんですが、お客様が旅行代理店で航空券の引換券をもらって空港までいらしたとき、カウンターで航空券をお渡しする仕事です。旅行代理店と航空会社の間のシステムの勉強になりましたね」

●授業もインターンも満喫

そして1年後、NICの一期後輩たちとともに渡米。ネバダ州立大学リノ校で3ヶ月間のサマー・ブリッジ・プログラムに参加する。「このときが一番つらかったですね。1年間のブランクはあったし、テストの成績がクラスのビリでしたし・・・。毎晩泣いてばかりでした。」
でも何とか乗り切って、ラスベガスのサザンネバダ・カレッジに入学。その直後に起こったのがあの事件だった・・・。
「ちょうどラスベガスに引っ越してきて、授業が始まってから2週間ぐらいのときでしたね。朝起きてメールをチェックすると『大丈夫?』というメールがびっしり。何だろうと思ってテレビがなかったので、日本の家族に電話して同時多発テロのことを知りました。その後、クラスに行ったら教授が『これから航空業界はたいへんだ』と・・・。いきなり卒業後の不安が頭をよぎりました」

でも先のことを心配していてもしょうがない。とにかく目の前のことをしっかりやっていこうと気持ちを切り替えた。「ラスベガスは観光ビジネスに関する最新の話題が豊富ですから、いるだけで勉強になるんです。教授もみんな業界とのコネクションを持っていて、トレンドを先取りした授業をしてくれるし。インターンの機会もたくさんあって、私はネバダ州のホテル・観光業界のコンベンションで働きました」

さらに夏休みには日本のホテルでもインターンをしたという。
「グランド・スタッフの募集というのは基本的に通年で行われているのですが、やはり春から夏にかけての募集が多いんですね。それで、春に向けてゆっくりと就職活動の準備をしたかったので、秋学期で単位を全て修得しようと思って、計算してみたら最終学期に22単位も取らないとだめなことがわかったんです。さすがに厳しいので教授に相談に行って、夏休みに日本のホテルでアルバイトしてくるからインターンの単位として認めてくれるよう頼んだんです。そしたらOKしてくれました」
そして東京ディズニーランド近くの有名ホテルでアルバイトをしたが、単位として認めてもらうためにはマネジャーにレポートを書いてもらう必要があった。
「困ったことに、そのマネジャーは英語が出来ない・・・。でも解決しました。ある日、勤務時間中にマネジャー室に呼ばれて言われたんです。『今から私が言うことを書き留めて、英訳してくれ。それを私がオフィシャルなレポートに書き写す!』(笑)」

●グランド・スタッフ採用試験へチャレンジ

無事に最終学期の単位を取り終え、3ヶ月間ほどアメリカ国内を旅行して2003年3月に帰国。最初は試しに外資系に応募してみたものの書類でアウト。でも、もともとANAグループのグランド・スタッフが第一志望であったため気落ちすることなく応募。何名が応募したのかは不明なものの、500人が一次面接に進み、採用されたのは数十人。鎌田さんの名前はそのなかに含まれていた。

「第一志望だったので、本当に嬉しかったです。なぜANAグループかというと、やっぱりお客様第一志向というのがはっきりと感じ取れるからです。これはディズニーで学んだことが私の中で土台になっていることにつながっていると思います。あとカウンターの雰囲気も明るいし、温かみも感じられるし、チャレンジ精神に溢れている点も魅力です。一緒に働いている同期や先輩の中には個性豊かな方が多く、楽しい職場です。留学の経験がある方も多いですよ。」

充実した日々を送りながら、彼女自身もチャレンジ精神を忘れない。
「大学時代、きついときもあったけどAll “A”が取れたセメスターもあって、最後は National Dean’s Listにもノミネートされて、本当にいい思い出になりました。頑張れば必ずその努力が報われるんです。いまも、まずは仕事を覚えて一段落ついたら、中国語を勉強しようと思ってるんです。最近なんと言うか、夢が叶ってしまった状態でふわふわしているんですが、どんどんこれから先もチャレンジしていかないと・・・」

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成田空港からは今年も様々な夢を抱いた多くの日本人が世界へと飛び立っていく。そんな様子をかつての自分とだぶらせながら仕事に励みつつ、自分の新たな夢も探し始めようとしている鎌田さん。そんなグランド・スタッフに見送られる人々の前には、必ず夢の実現が待ち構えていることだろう。

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