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同窓生インタビュー

<2004年>
佐々木麻理亜さん NIC第13期生 北海道立室蘭栄高校出身
ネバダ州立大学リノ校人間科学部 幼児教育学科卒業
2004年1月より、コロンビア大学院に進学

自分がどこまでできるかが大切。他人に認めてもらうための結果はいらない。

午後に入ってからずっとふさぎこみ、不機嫌だった空が、不意に機嫌を直した。灰色の空は舞台のセット転換のようにくるりと青空になって振り向いた。リノの午後3時。小さいこどもの笑顔のようにあたたかな日差しを引き連れて佐々木麻理亜さん、図書館前に登場。

■ ■ ■ ■
「高校の頃、誰かに認めてもらうために必死に結果を出そうとしてました。いい成績をとるってやつですね。高校の入試は首席です。新入生の代表にもなりました。でもいつの頃かなあ、試験で一番になるって、そんなにすごいことなの?いくら、成績よくて、すごい!って誉められたって、それが、人間としてすごい!ってことにはならないじゃない、そう思うようになりました」

■ ■ ■ ■
成績よければすべてよし、の欺まん性に目覚めたとき、彼女のなかで何かが弾けとんだ。他人に認めてもらうための結果ではなく、自分がどこまでできるか、それを試すための結果を出したい、そう考え始めた彼女は、誰も知らないところで自分を試そうとした。そうしてカリフォルニアの片隅の田舎町で3週間の語学留学に挑戦。高1の冬のことだった。その経験が引金となって、留学を意識するようになりましたと、彼女は語る。

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「NICに入学していままで見えていなかったもうひとりの自分が見えました。学力はある程度あるけれど、リーダーシップに欠けている。他人とのコミュニケーション能力に難がある。英語の成績がよくても、会話がスラスラできるわけじゃない。他人との協調性に乏しい・・・。私のように地方から上京して入学した人間にとって、いかに自分が人間としていかに未完成なのか、その強烈な現実を突きつけられたんですね。NICの日々のハードなカリキュラムを過ごす中で。自分の中身をいかに充実させるか、その方法を必死になってNICで学びとりました。たとえば、課外活動の委員になったとき、みんなをどうやって導いたらいいか、同じ委員同士で集まって、検討するのもそのひとつ。それまでお互い腹を割って話すなんて、そんな経験ほとんどなかったから、とっても新鮮でした。当たって砕けろなんですよね、何事も」
おもわずこぼれる彼女の微笑みに陽光が差す。
「NIC時代の同級生とはいまでもよく連絡を取り合いますよ。カリフォルニアとか近くにいる知り合いのところには休暇の時に泊りがけで遊びにいったりしますね。東海岸のようなちょっと距離の離れてるところの知り合いはEメールのやりとりが大半になりますけど」

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自分のふるさとの北海道に似た、自然の豊かな田舎の大学で落ち着いて勉強したいなあという理由でリノを選んだという佐々木さん。彼女はいま教育実習生として週に40時間、幼稚園の先生をしている。彼女の専攻は幼児教育。「今日も取材直前まで幼稚園で、こどもと一緒に走り回り、ころげまわってたんですよ。こどもって学力で人を判断しませんよね、無意識のうちに人柄を見抜いてますよね。それに成長のスピードが大人と全然ちがう。昨日読めなかった字が、今日は読めるようになったりとか」

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どんなときに幼児教育の日米の違いを感じますか?と尋ねると、しばらく考えてから答えてくれた。
「アメリカの幼児教育のいいところは、ハキハキとダメはダメ、とその理由を合理的にロジカルに説明していくところ。すべてに賛成できるわけじゃないけど、見習いたいところはたくさんあります。逆に日本ではいい意味でもよくない意味でも感情的にモノを説明しようとするところかなあ。ご飯は残さず食べようね。お米を育てて作ったくれたひとに感謝しようね、みたいな言い方するでしょう、よく。どちらか一方が正しくて、もう片方が間違いとは言えないですけど、そういうところに違いがあるかなあって思いますね」

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「こどもたちと輪になって遊んだり、本を読んであげたり、そんな時間が実はレクリエーションも兼ねていたりするんです、それにまだまだ結果と中身が一致しません、がんばります」と言って消えていった佐々木さん。12月にネバダ州立大学リノ校を学部トップで卒業。2004年の1月からは東部の名門コロンビア大学の大学院に進学する。脱帽。ちなみにそこでは健康科学部の健康教育学を専攻予定だという。


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