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同窓生インタビュー

<2005年>
山崎透さん NIC第13期生 神奈川県立秦野高校出身
ワシントン大学工学部航空宇宙工学科05年6月卒
8月より株式会社ソフトウェアクレイドル就職

最初は「こんな感じのものをやりたい」というのがあれば良い。

今学期は最終学期で、CapstoneコースのSpace Design(宇宙船のデザイン)とComputational Fluid Dynamics(コンピュータ流体力学)の2科目だけ履修しています。就職先はこのコンピュータ流体力学のソフトウェアを作っている会社で、まさに自分が勉強したことをそのまま生かせるところです。実はこの会社に出会ったのも偶然でした。それまでは大学院に進学するか就職するかまだ決めておらず、実際にUniversity of Washingtonを始め、いろいろなところから大学院の合格通知ももらっていたのですが、とりあえず参加した、サンフランシスコでの日本人学生を対象とした合同企業説明会に参加し、そこでクレイドル社に出会ったんです。サンフランシスコには社長自らいらっしゃっていて、実際にお話を聞いて、そこで面接をしてもらい、内定をもらうことができました。実のところは内定をもらってから、真剣に将来のことを考えたというのが本音で、やはり大きな決め手となったのは、大学で学んだことを直接生かせること、とても小さい会社なので、任されて仕事ができるということでした。

University of Washingtonに来る前は、San Diego State University(カリフォルニア州立大学サンディエゴ校)で二年間学びました。サンディエゴ校でも、ラジコン飛行機のコンテストで全米優勝するなど、充実した日々でしたが、もっとレベルの高い大学で学びたいという気持ちが強くなり、3年次からこちらに編入してきました。実際にワシントンでは、クウォーター制ということもあり、1学期がとても短く、すぐに中間、期末を迎え、とても忙しい日々で、クラスのレベルもとても高く、大変でしたが満足度の高い二年間でした。特に先学期は、夜9時に自分の部屋に帰って寝て、深夜2時に起きて教室に行って、朝まで勉強するという日もとても多かったんです。設備に関しても、普通の大学では工学部全体で一つの校舎というところも多いのですが、ワシントン大学では工学部だけでなく、航空宇宙工学科で専用の建物を持っており、特別な風洞実験室もあって、航空宇宙工学を学ぶ環境としては最高でした。また、授業以外でも、流体力学のリサーチに参加し、グリセリンの中に銀の粉末をいれてConvection(対流)の再現をするという研究で、大学から1500ドルの奨学金をもらうこともできました。

日常生活はごくごく普通で、現在は、大学の近くのアパートで生活していますが、バスルームとトイレが自分の部屋についていて、キッチンを10人で共有するというスタイルのところです。治安もよく、家賃も月額400ドルなので、とてもリーズナブルで、快適な生活を送っています。

高校生の皆さんは、いま進路選択で悩んでいると思います。よく海外の大学を希望しているのであれば、目的が明確でなければダメ、という人もいますが、僕は、反対に、今の時点で特に明確な目的がなくてもよいと思います。僕の場合は、単純に、環境が違うところに行きたかったというのがキッカケでした。NICに入学を決めるときも、父親は、父親自身がエンジニアだったこともあり快く賛成してくれ(高校の先生は国内の大学、たとえば東工大など理系で強い大学を勧めましたが)、そして一年後にサンディエゴ校に進学するときも最初は物理専攻で、サンディエゴで授業を開始したその日に航空宇宙工学に学科変更というとんでもないことをしました。ですから、最初は大ざっぱに、『こんな感じのものをやりたい』というのがあれば良いと思います。特に一芸に秀でていない人でも、実際に勉強してから、少しずつNarrow Downしていくことができますし、実際に勉強してみないと自分がそれを好きかどうかもわからないと思うので、それはそれでよいのではないかと思います。

僕の将来の夢は、「日本」の宇宙開発に貢献することです。これは小さい頃からの夢だったのですが、今は日本の宇宙開発はアメリカに見下されているという状況があります。とても悔しいのですが、実際、日本は、純国産で、シンプルで、コストパフォーマンスが高いロケットの開発を目指しながら、H2のエンジンはスペースシャトルと同じくらい複雑でコストも同じくらいかかっていて、前進していないのが現実のようです。そういった意味でも、日本の技術はもっとすごいんだ、というのを世界に誇れるようにがんばっていきたいと思っています。


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