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同窓生インタビュー

<2005年>
南大成さん NIC第14期生 鹿児島県立甲南高校出身
シェフィールド・ハーラム大学 プロダクト・デザイン学部

人間の幅を広げる「本気の学び」
〜親にお金を払ってもらいながら大学で遊ぶのは馬鹿らしい!


◆渡英後に出会った「やりたいこと」


「悩む暇もないほど忙しいですね。」
イギリスで何か壁にぶつかった?という質問に南さんはそう答えた。
専攻はプロダクト・デザイン。高校時代から「何かを創り出すこと」をやりたかったという南さんがこの分野に出会ったのはケンブリッジのファンデーションコースでだった。
「プロダクト・デザインというのは、身の回りの製品を性能と美の両面から追求するデザインです。クラスのプロジェクトでは、たとえば電話とかキッチン用品をデザインしたりとかしています。先日は高齢者向け携帯電話のプロジェクトがあって、実際に老人ホームを訪問したりしてニーズを聞き出してデザインに反映させたりするんです。」
とにかく今は「やりたいことをやっている」から本当に悩む間もないという。
「平日は朝8時から夜8時までずっと学校で何かを作ってますよ。もちろん作るだけではなくて、エッセイを書いたり、マーケティングの勉強をしたりなど色々ですけど。」
そんな「集中できること」を渡英後に見つけた南さんだが、高校時代は「空っぽだった」という。

◆勉強する目的を失った高校時代

「中学時代は高校受験のことだけを考えてましたけど、いざ志望校に受かると勉強する目的がなくなって、一方的な詰め込み型教育に嫌気が差して、まったく勉強しなくなりました。」
当時から「何かを創りたい」とは考えていたものの、その「何か」がわからず、日本の美大受験も考えた。でも経験も何もないので門前払い。そんなときNICを見つけた。
「海外なら経験がなくてもチャレンジできると知って、もうこれしかないと思いましたね。アートだけではなくて当時興味があった心理学もダブル・メジャーで学ぶことが出来るという点にも惹かれました。」
もともとTVドラマ「フルハウス」や洋楽が好きで海外には興味があった南さんにとって、海外進学に対しては不安よりも好奇心のほうが強かった。
「両親も『やりたいことをやりなさい』という感じで反対はなかったですね。高校の先生からは訝しげな目でみられましたけど。でも日本の大学に行ったら流されて遊んでしまうだろうという『確信』があったので、あえて人生のホームレスになろうと思いました(笑)。」

◆異文化で学ぶことでデザインの幅、人間の幅を広げる

現在在籍するシェフィールド・ハーラム大学では、正規学部生の日本人は南さん一人だけだという。
「プロダクト・デザインのコースは大学の中でも最もハードなコースで、プロジェクト締め切り前なんて2日間寝れないこともしょっちゅうです。でも自分の中から何かを創り出す喜びと、それをやり遂げた後の達成感は格別ですよ。」
さらに南さんはイギリスでデザインを学ぶことの意義をこう話す。
「異文化の中で学ぶことで、デザインの幅、人間の幅が広がると思うんです。先学期はフランスから交換留学生がやってきてたんですけど、フランスでは国が率先してデザイナーに異文化経験をさせているようですね。実際、国によってアイデアの出し方からプレゼンの仕方まで違う。学ぶことが多いですよ。」
だから「生涯の友を3人みつけた」NIC時代を思い返すと一点だけ悔やまれることがあるという。
「もっといろいろ東京を見ておけばよかったと思いますね。勉強に忙しくてNICとアパートの往復でしたから(笑)。」

◆親のお金で大学に行って『遊ぶ』のは、ばからしい。

南さんにとって目下の壁は「固定観念にとらわれないこと」。
だから今はとにかく色んな経験をしたい。
「僕が目指すデザイナーに限らず、色んな経験をして異なる価値観を自分の中で反芻、消化することは誰にとっても大切だと思います。日本にいるとき、どういうわけか欧米に対する憧れみたいなものがあったんですけど、こっちに来てから思うのは、日本人は全然負けていないということ。国際社会の中で、もっと自信を持って自立をしていくべきだと思いますね。」
そして、そんな日本に対する愛情だけではなく、両親に対する感謝の気持ちも強くなった。
「親のお金で大学に行って『遊ぶ』のは、ばからしいですよね。それは日本にいてもイギリスにいても同じこと。海外でもいわゆる『遊学生』は多いけど、目的が見つからないままにここに残るのは難しいですよね。僕は時間を無駄にせず、早く一人前になって家族に恩返しがしたいですね。」
ものが溢れる時代、本当にいいものを見つけるのは至難の業だ。同じく、本当にいいデザインを生み出すこともたやすくはないが、南さんが目指すデザインは「何年も歌い継がれる名曲のように、みなに愛され続けられるもの」。
そんな「本物」を創り出す能力は「本気の学び」の中でしか生み出されない。

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