アメリカで築いた専門性 ―地理情報システムのプロフェッショナル、宮田雄一郎さんの歩み―

アメリカへの憧れから始まった挑戦

「アメリカに憧れた」

シンプルな動機から、宮田雄一郎さんのアメリカでの人生が始まりました。NIC第11期生として入学してから20年以上。今、彼はポートランド近郊に暮らし、6州を管轄する大手電力会社PacifiCorpで地理情報システム（GIS）の専門家として活躍しています。

投資の神様として知られるWarren Buffettが会長を務めるBerkshire Hathawayを親会社に持つPacifiCorp。宮田さんは、その重要なポジションで14年目を迎えています。

NICでの日々：英語漬けの毎日

NICでの生活は、まさに英語との格闘の日々でした。

「英語漬けで、毎日、努力しました」

アメリカでの生活を実現するため、宮田さんは一日一日を大切に、英語力を磨き続けました。その努力が、後の大学生活、そしてアメリカでのキャリアの土台となっていきます。

大学での学び：現地に溶け込む決意

University of Nevada, Renoでの学生生活。宮田さんにとって、最初の1年は大きな試練でした。

「1年目は授業についていくのが大変だった事を覚えています。ネイティブのノートを写させてもらった事も覚えています」

英語での講義についていくのは容易ではありませんでした。しかし、宮田さんには明確な決意がありました。

「特に頑張ったことは、日本人と固まらずに、現地の友達作って、生活したこと」

日本語から極力離れ、英語づくめの環境に身を置く。その選択が、宮田さんの英語力を飛躍的に向上させ、アメリカでの生活基盤を築きました。そして何より、そこで出会った友人たちは、生涯の宝物となりました。

「生涯の友達を作れたこと」

現地に溶け込み、本当の意味でアメリカ社会の一員となる。その経験が、後のアメリカ永住という道へとつながっていきます。

キャリアの始まり：地理情報システムとの出会い

大学で地理学を専攻した宮田さんは、その中で地理情報システム（GIS）という分野に出会います。

卒業後、宮田さんはまずUniversity of Nevada, Renoの地震研究所で約5年間働きました。そこでGISを使ったデータ管理と地図作成のスキルを磨き、その後、現在のPacifiCorpへと転職。14年目を迎える今も、GISの専門家として活躍し続けています。

現在の活動：会社の経営を支える専門家

現在、宮田さんは電力会社で地理情報システムのデータ分析を担当しています。

「地理情報システムはいろんな分野で活躍出来ます。やりがいは会社の経営に多く貢献できることです。部長さんにも重宝されています」

6州を管轄する大手電力会社。その広大なエリアをカバーするためには、正確なデータ管理と地図作成が不可欠です。宮田さんの専門性は、会社の経営において重要な役割を果たしており、上司からも厚い信頼を得ています。

GISという専門分野は、電力会社だけでなく、地震研究、都市計画、環境保護、物流など、様々な分野で必要とされています。大学での専攻選択が、宮田さんに安定したキャリアと専門性をもたらしました。

「NICや海外での学びが、アメリカ永住と現在の仕事の貢献に役立っています」

NICで培った英語力、大学で身につけた専門知識、そして現地に溶け込もうとした姿勢。それらすべてが、宮田さんのアメリカでの成功を支えています。

これからの夢：さらなる高みを目指して

アメリカに永住し、家族を持ち、一軒家も建てた宮田さん。アメリカンドリームを実現した彼ですが、挑戦は続きます。

「今後は昇格して、いつか部長になる」

14年間積み重ねてきた経験と実績。会社への貢献を認められている今、宮田さんの次の目標は明確です。部長という役職を目指し、さらなるキャリアアップに向けて前進し続けています。

高校生・保護者の皆さんへのメッセージ

「夢に向かって突き進むことは、最高の選択」

「アメリカに憧れた」というシンプルな夢から始まった宮田さんの挑戦。NICでの英語漬けの日々、大学での苦労、現地に溶け込む努力。すべてが今の成功へとつながっています。

20年以上アメリカで生活し、専門家として会社に貢献し、家族を持ち、そして次の目標に向かって進み続ける。宮田さんの歩みは、夢に向かって突き進むことの素晴らしさを、身をもって証明しています。