両親にしてもらったように、将来自分の子供にもチャンスをあげられる人間になりたい

2023年7月、アムステルダム大学の卒業式に、着物で出席しました。

川口 実のりさん (かわぐち みのり)

University of AmsterdamBachelor PPLE Politics, Psychology, Law and Economics

NIC大阪校 第7期生 / 大阪女学院高等学校出身

オランダの名門アムステルダム大学を2023年7月に卒業予定。数々の困難を乗り越え、ヨーロッパを法曹界で活躍する夢に向かって邁進中。

目次

NICでの思い出を教えてください。

NIC入学を考えたきっかけは、海外に出て自分が全く知らない世界や文化の中でさらに成長したいと思いました。自分とは全く異なる背景をもつ人と学び、生活を共にすることで、自分自身の性格やスキルについて深く向き合えたらと思いました。そこで、その大きな環境変化の前の準備として、NICは、海外で勉強し、活躍したいという自分と同じ目的を持った仲間に出会える場所として適した場所でした!

NICでの思い出は数えきれない程あります。まず、英語づけの毎日に慣れることがとても大変でした。毎日大量に出される課題には睡眠時間を削られ、両親にも体調の心配を何度もされました。ですが、時間が経つごとに成績も伸び始め、たくさんの知識を短時間で吸収してフル活用していく体力がつきました。その体力は、今海外留学中にも役立ち、“NICに行ってた頃に比べたら、全然大丈夫。“ とよく自分に言い聞かせています。

また、NICではたくさんの大切な友達もできました。特に、NIC大阪校は比較的規模が小さかったので、一人一人の同級生とすぐに親しい関係を作ることができます。九州や関東から学生寮やアパートを借りて大阪校に通う仲間もいたので、頻繁に、夜な夜な一緒に勉強したり数々の思い出を作ったりしました。私のお気に入りの思い出は、本当に色々ありますが、6月の運動会です。仲のいい友達が応援のうちわを作ってくれてとても嬉しかったからです。

オランダでの思い出を教えてください。

大学での4年間は、毎日が新しい発見と成長の連続でした。1年目は、ネイティブスピーカーの学生との英語でのコミュニケーションにまだ苦労していて、不安な気持ちがなかなか消えませんでした。自分の言いたいことを完全に英語で言い表すことができないもどかしさや、相手の言ってることを完全に理解できているのかが不確かで、何故か何となく申し訳ない気持ちがありました。しかし、友達に後押しされながら、分からないことを分からないと素直に言うことで、周りの人から直接英語を学ぶようになっていきました。さらに、自分からたくさんの学生イベントに出向き、海外の学生と沢山交流を深め、自然と自分を支えてくれる仲間が増えていきました。

2年目のほとんどは新型コロナのため日本に一時帰国し、オンラインで授業をうけました。ヨーロッパとの時差で、夕方の5時から夜中の2時や3時ごろまで授業があり、生活リズムを保つのがとても大変でした。そのかわり、しばらく会えてなかった日本の家族や友達と思い出を作ることができてよかったです。

コロナがあけ、3年目4年目の留学生活ははオランダで行われました。オランダでは、Studievereniging といって、それぞれの学部の生徒会が学部のイベントやコミュニティを総括していることが多いです。私は自分の学部、PPLEの生徒会、AIM PPLE の執行部として立候補し、喜ばしいことに、選考されました。執行部としての1年はとても忙しく、勉強との両立がかなり厳しかったですが、学部の代表として、とても多くの学生と知り合い、繋がることができました。

また、同じ執行部の仲間は自分にとってのかけがえのない存在となっています。また、PPLEは学生間の文化背景色の違いが豊かなプログラムで、世界の様々な場所からやってきた生徒が集まっていました。そのおかげもあり、日本人だからと言って疎外感を感じることも全くなく、皆んながそれぞれの違いを理解し合う環境で、私は成長することができました。そして、海外留学4年目、大学最後の年は、卒業に向けてのラストスパートをかけていました。生徒会を卒業して、卒業論文作成に向けての準備はとても体力が必要な時間でした。また、PPLEでの学び以外にも、マイナーでGeographyを専攻し、圧倒的に多い勉強量に追われる毎日でした。課外活動では、European Horizons という、学部の規模を超えた地域の学生団体で執行部として活動し、さらに人脈を広げていく機会を得ました。

大学4年間の思い出をまとめると、人との出会いに助けられた毎日でした。私は日本にいた頃も友達や家族にお世話され続けてきましたが、それは、オランダに来てもある意味同じでした。その一方で、日本にいても、ヨーロッパにいても、自分とは異なる人との繋がりを大切にして、その中で自分を成長していくことの重要さを改めて実感しました。

挫折した経験の一つに、アムステルダムで電車との交通事故があります。あまり細かくは説明しませんが、電車とプラットホームの間に落下して大変なことになりました。それから、数ヶ月の間、トラウマや怪我に苦しみ、勉強や課外活動もなかなか普段通りに続けることができませんでした。でも、そんなときこそ、周りの人に頼ることが大切でした。私は挫折感や辛さを感じる時は、自分が信用できる人、例えば、現地の友達、NIC時代からの友達、幼馴染、そして家族にすぐ連絡します。自分が辛い時こそ、どうしたらいいか分からず迷うのではなく、誰かと話すことで、問題や解決方法が案外明確になることも沢山ありますし、何よりも、自分の気持ちや状況を理解してくれる人がいるというのは単純に嬉しいことだと思います。そんなふうに周りの人に自分の弱さや悩みを打ち明けることは、恥ずかしく難しいことかもしれませんが、素直に正直になることこそが周りの人からの支えに繋がりました。その一方で、私はいつも助けられてばかりだなと思うことも当然ありますが、自分が頼られた時には必ず相手のことを見捨てず、助けることができるような人でありたいです!

読者へのメッセージ

私の現在の夢は、オランダで法曹資格を取得することです。そして、EU圏内で通用する弁護士になりたいです。そして、最終的には、EUと日本の地域間で発生する様々な問題に対して、両方の背景を持った弁護士として、解決に携わる人材になることを目指しています。

高校生の皆さんへ。これからどこで何を自分が学ぶかということは、自分自身を造っていく中でとても大切な要因になります。ですから、たった数年間の大学生活でも、そしてそれがどこで行われたとしても、しっかりと目的や野望をもって頑張って下さい!

保護者の皆様へ。私は海外に留学することを決めてから、両親との関係が前よりもさらに良くなりました。親元を離れてからこそ、どれだけ自分が支えられてきたか、よりはっきりと分かったような気がします。私が自分の両親に1番感謝していることは、私に挑戦する機会を与えてくれたことです。たくさんの人が私の人生を支えてくれましたが、実際に留学をし、学ぶ機会をくれたのは両親であり、私が将来その立場になっても自分の子供にチャンスを十分に与えることができるようでありたいです。

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