悩んでいることが、人生を変えるチャンス!

原田ななみさん (はらだななみ)

Manhattanville CollegeBFA Musical Theater

NIC大阪校 第5期生 / 兵庫県立西宮高等学校出身

NIC修了後、ニューヨーク州立ロックランドコミュニティカレッジを1年半で卒業、その後ニューヨーク州の私立大学Manhattanville Collegeに編入し1年半で卒業、合計3年で卒業しました。新型コロナウィルスによる劇場閉鎖により、舞台の仕事が中断となり、現在は結婚とともにテキサス州へ移住。近い将来、女優の仕事に戻ることを計画中。

目次

現在のお仕事について教えてください。

ニューヨークで大学卒業と同時にパンデミックが始まり、全ての劇場が閉まり、決まっていた舞台の仕事もなくなりました。その後すぐ結婚を期にテキサス州に引っ越し、今は大手のホテルの社員として、テレビや書籍などで有名なKristen Kishというシェフが持っているレストランで、お客様に料理についての説明をする仕事をしています。このレストランで食事をするためにオースティンを訪れるお客様が連日おられ、従業員もみんなこの職場で働くことを誇りに日々精進しています!

舞台の仕事が断たれた時は絶望したような気持ちになりましたが、結果的にはそのおかげでこのような企業とご縁があり働けたこともとてもいい経験になり、一般企業で外国人としてやっていく大変さや文化の学び、英語力もまだまだ日々向上していて決して無駄な時間は過ごしていません。家庭の事情や手続き、様々な環境が整い次第ニューヨークに戻って舞台の仕事も復帰したいと思っています。

NICでの思い出について教えてください

受験生だった春、芸大の受験に落ち続けた私は、縛られた環境でやりたい事にも打ち込めず、やらなければならない事にも全力になれず、人生に悩んでNICに入ることを決めました。

もともと、英語は全くと言っていいほど出来ませんでした。NIC授業が始まる前夜、家で英語の文を声に出して読んでいると、あまりの英語能力のひどさに両親は「わざと下手に読む演技をしてるんじゃないの?」と絶望するほどでした。NICでの1年間は、とにかく必死に勉強しました。もちろん、すぐに全てが上手くいったわけでは、ありませんが、頑張っても成績が上がらない時、変わりたくても変われない自分と向き合ったときに、いつも諦めず、的確なアドバイスと助けを差し伸べて応援してくださった、たくさんの先生、スタッフの皆さんがいました。

アメリカでの思い出は?

ずっと夢だったミュージカルの世界で一流を目指すため、渡米後すぐ入学したコミュニティカレッジを当初の予定より早く卒業し、大学から奨学金をいただいて4年制大学に3年次編入しました。通常、言葉の壁のある私たち留学生にとって、ネイティブのクラスメイト達と並んで4年で卒業に辿り着くこと自体、簡単な事ではありません。そんな中、自分のやる気と周りの人の助けで、トータル3年で4年制大学を卒業出来ました。周りに日本人はいませんでしたが、孤独だと思ったことは一度もありません。学内では、いつも舞台のためのオーディションの日々で、「言葉の芸術」であるミュージカルの世界で、ネイティブの子達といつも同等に闘っていました。目標が大きい分、現実の厳しさに涙することもありましたが、誰にも負けないやる気と野望を持って、心を開いて立ち向かっていくことで、本場NYの地で、みんなに必要とされる「ひとりの舞台人」として受け入れられるようになりました。

挫折といえば、大学時代、そしてその後結婚生活や移民手続き、就活、就職後も文化の違いや差別、言葉の壁など乗り越えなければならない問題は、常に付き纏っている様に感じます。それでも、自分にとって大切な人の支えとブレない軸、変わらない夢を持ち続けることで今まで変わらず頑張ってくることが出来ました。これからも涙を流すことはあると思いますが、この経験を通して得た強さが私の一生の財産。最後には笑って、自分のことを誇れる人生に出来ると確信しています。



読者へのメッセージ

現在の目標は、ニューヨークに戻り、ズバリはBroadwayの舞台で活躍できるような女優になることです。

世界で何かを目指したいと思った時、最後に1番必要なのは、英語力だけではありません。逆に、もし10代の頃の私のように大切な事に気付けていなければ、そこに優秀な成績が加わったとしても、その先得られたものは少ないと確信しています。私でも、自分の人生と周りの人たちをこんなに愛せるようになりました。みなさんももし何かに悩んでいるなら、それが人生を変えるチャンスになるはずです。

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