先輩からのメッセージ

発展途上国で働きたい

PROFILE

八田舞さん

NIC 第16期生 千葉市立稲毛高校出身
カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校国際関係学部4年 08年5月卒業

旅行と生活は違う

NIC修了後はディアブロバレーカレッジ(DVC)に進学。ひどいホームシックにかかったという。「アパートでインドネシア人留学生とルームメイトになったんですが、相性が全く合わなかったんです。とても裕福な家系の出身らしく、掃除もできない、台所の片付けもできない(笑)。アメリカ人もフレンドリーと言われますが、実はそうでもない。やっぱり話しかけられるのを待っているだけじゃダメ。自分から積極的に話しかけていかないと友達もなかなかできない。父親に泣きながら電話したことを覚えています。」

中学2年の時に、アメリカのサマーキャンプに1ヶ月参加し、それがきっかけで留学に漠然と興味をもったが、「旅行と生活は、全く違いました(笑)。」

そういった経験を重ねていくうちに、考え方や行動にも変化が現われてきた。「とりあえずやってみることですよね。とりあえず主張する、ダメだと思ってもやってみる。やらないで後悔するよりやってから後悔したほうがいい。」

高3の夏に、双子の妹と両親と一緒に、NICの説明会に参加した。「父親も日本よりはアメリカの大学がいいと勧めてくれて。NICの受験に合格したら高校の先生も皆喜んでくれました。」

模擬国連の本選メンバーに選抜

勉強以外にもアルバイトや日本人学生会(JSA)、国際関係学部学生会(IR Student Association)など、忙しい生活を送っている。「教育学部の先生のアシスタントをしていて、時給が10ドルなんです。資料を教室まで運んで、授業中は後の席にいて、何かあればお使いにいくっていう、割と簡単な仕事(笑)。 」

JSAでは役員として、Cultural Eventやボランティア活動のコーディネーター、そして国際関係学部学生会では、卒業式を企画する委員をやっている。「全体の卒業式では一人ひとり名前を呼ばれることがないので、学部ごとに別途卒業式をやるのが恒例なんです。来年春の卒業式の企画をするのが私の仕事です。もちろん私もそこで卒業します(笑)。」

今年の春には、サンフランシスコ校の代表メンバーとして、ニューヨークでの模擬国連(Model United Nations)全国大会にも出場した。「サンフランシスコ校はイスラエル役で、私はWHOのAIDS問題担当で、プレゼンやディベートをやりました。勉強するべき事が多すぎて本当に大変だったけど、この経験を通してもっと自分に自信がつきました。」

発展途上国で働きたい

同じくチコ校で国際関係学を学ぶ双子の妹とともに、ここまでがんばってきた。
「アメリカに来て、日本に居る家族や友人にいかに支えられているかがわかりました。つらいときに電話すると、いつも励ましてくれる両親。おばあちゃんも手紙をくれるし、自分を待ってくれている人がいると思うと本当にうれしい。日本にいる大切な皆には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。」

すでに就職活動を開始し、面接もまもなく始まる。「とりあえず日本で何年か働いたら、ゆくゆくは大学院に行きたいです。自分がスペシャリストになって貧しい国や発展途上国の現場で貢献したい。」と将来の夢を語る舞さんは、高校生へのメッセージとしてこう締めくくった。

「誰に反対されたとしてもあきらめないで欲しい。とにかくチャレンジすること。それだけの価値がここにあります。」

天真爛漫な性格に、精神的なたくましさが確実に備わってきた。