先輩からのメッセージ

死ぬほどやっても死なない。

PROFILE

近藤美希さん

NIC 第18期生 千葉県立柏高校出身
国立ハートフォードシャー大学ビジネス観光学科 2010年6月卒業 University of Hertfordshire BA in Business Tourism Management

苦労を人の5倍はしています!

「今回は私がやるしかない! 色々な苦労や経験なら2時間では語りきれないくらい、人一倍というよりもはや5倍くらいしてきました!」
そういって今回のインタビューに申し込んできた美希さんは、今、イギリスで、大好きな旅行を仕事にするために学んでいる。

最近一番大変だったことは? の問いには
「先学期、課題が全部グループワークだったこと。自分で言うのもなんですが、エッセイを書くことに関しては自信もあるし、特に書くことに関しては苦労していないんですが、同じグループだったアフリカ人学生が全然協力してくれない(笑)。」

イギリスの大学では、特に経営学系の学部ではグループワークがたくさんある。3,4人のグループでレポートを書いたり、プレゼンテーションをやったりする。美希さんも先学期は合計7、8個のグループワークがあったという。
「あるケーススタディでは、35ページの論文を提出しなければならなかったのですが、結局彼らが書いたエッセイもEditしなければならないし、ルーズな彼らに任せられないと思って自分でやったら、あまりにも自分を追い込みすぎて、タイピングしながら涙が出てきました。期日に間に合わせるためにあせってやっていたら、汗で、キーボードに塩の固まりができたんです(笑)。」

添乗員のアルバイト

また、先学期まではロンドンにある日系旅行会社で観光ガイド・添乗員のアルバイトもしていた。あこがれていた仕事も実際にやってみると、思いがけない発見がある。
「これも本当に大変でした。日本からの修学旅行生のお世話をしたり、ツアー客のお世話をするのですが、私達添乗員が文化の違いから来るストレスやトラブルのはけ口になるんです。たとえば買い物や食事で不満があったときにも、直接英語が話せないから、全部私達に来る(笑)。『あんたじゃ役に立たない』とか言われたこともあって。。。日本から来た旅行会社の添乗員の方が、お客さんに罵倒されているところも見たり。。。。」

賃金はとても良く、単に空港からホテルに送迎するだけの日も含めれば、週3~4日働くだけで月約10万円になった。
「旅行業に携わりたいという夢はまだありますが、添乗員はもういいかな? と思っています(笑)。」

そう語る美希さんは、高校2年生までを山口県で過ごし、父親の転勤に伴い、柏高校へ編入してきた。高校時代は300人中常にトップ3位以内にいた。もともと国立の外語大学を目指し勉強していたがセンター試験の数学で失敗。ちょうどその時、NICを知った。
「もともと親にも大学に行ったら1年くらい留学したい、と言っていたのですが、NICのことを話したら両親も賛成してくれました。」

NICでは、IN(下から3番目)レベルからスタート、3学期には飛び級も経験した。NIC修了後は、迷わずイギリスを選択。その理由を尋ねると、
「旅行が好きだったので、イギリスだったらヨーロッパ中旅行できるかな? と思って(笑)。」
好きこそものの上手なれ、である。

実際にイギリスに来てから多くの国を訪ねた。
「スウェーデン、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、オーストリア、あとクラスの研修でチュニジア(アフリカ)にも行きました。」
ダイビングのライセンスをもっているという美希さんは、このお正月には、NIC時代の友達と2人でエジプトの紅海にダイビングに行ったという。
「旅行のお金はアルバイトで稼いでいます。でもイギリスから海外旅行するのは本当に安くて、イタリアのベネチアに行ったときにも飛行機代も往復5,000円くらい。もちろん特別料金なので朝4時の出発だったりするんですけどね(笑)。」

イギリスは物価も高いと思われているが、生活費はそれほどかからない。「今は一軒家を5人でシェアしているのですが、一人当たり月4万円くらいです。」

死ぬほどやっても死なない。

ハードフォードシャー大学の観光学部はとても実践的で、実際に隣町の役場の人とチームを組んで、町の活性化プロジェクトを運営したりもした。
「プレゼンテーションも、町の公民館(笑)。大学の先生や役場の職員、住民の人々も集まって、その前で発表したんです。」

いよいよ6月に卒業を控えた美希さんは、読者へのメッセージとして、こう話してくれた。
「当たり前ですが、こっちに来ると、日本では経験できないことができます。人種もいろいろ、考え方や価値観が違うのも当たり前。日本に帰って同世代の人と話をしても、いやな言い方ですが、『それくらいのことで悩むな。私はもっと苦労している』って思ってしまいます。厳しい環境にいれば、失敗もたくさんします。勉強や仕事、生活面が大変で「もう倒れるー死ぬー」って思うことが何度もありますが、実際に死んだり倒れたりしたことはありません(笑)。その度人間のたくましさを、身をもって経験できます。いいことばかりではなく失敗や苦労もいまだにたえませんが、それを一つずつ乗り越えていくことによって、人間として大きく成長できると思います。」