就職活動の体験談

一歩踏み出せば一回り大きな自分に出会える!

PROFILE

井ノ口 文葉さん
ネバダ州立大学リノ校 演劇学部卒業 / 福岡県・筑紫女学園高校出身 / NIC第15期生

株式会社東京舞台照明 ライティング事業部所属

「英語で学ぶ」という意識でNICを訪れた

舞台照明という職種を選択肢として思い描いた高2の夏から気づけば10年、最近は海外アーティストの来日ツアーなどを担当させてもらうようになりました。「英語で学ぶ」という意識でNICを訪れたことが、今の自分に繋がっていると思います。

NICでは人生最大の勉強量に苦しみながら、それでも留学という新しい世界に向けてワクワクしていました。留学先や目指す分野は違っていても、友人たちが頑張る姿を見るだけで勇気づけられていたと思います。

演劇漬けの生活

渡米してからは念願の演劇漬けの生活で、毎日が楽しくて仕方ありませんでした。学部主催の公演でのデザインやオペレーションを通して、授業では得られない現場の感覚を勉強させてもらったり、1年目の夏から参加していた日本人劇団では役者としても演劇にのめり込んでいました。バイトの掛け持ち、課題、深夜に及ぶ練習といった日々の中にはもちろん辛い時もありましたが、今振り返ってみるとやはり笑顔の記憶が強烈に刻み込まれています。

「表」と「裏」の選択

そうして芝居に没頭する日々を送るうちに演じることの魅力にはまり、就職を考える時期には役者と照明スタッフという「表」と「裏」の選択に迫られていました。そこで母の勧めもあり、OPT(Optional Practical Training)で1年間照明と真剣に向き合ってみることにしたのです。結果論ですが、この期間の経験が今の私を支えてくれています。OPTの期間中は裏方のUnionに登録し、様々なショーやイベントで照明の仕事をさせてもらいました。やっと仕事を覚えてきたころにはOPTの期間も残り少なくなっていたので、アメリカに残って就職するという進路も考えました。実際に幾つかの劇場に出向いて、面接を受けたりもしましたが、やはり日本のエンターテイメントに関わりたいと帰国を決めた時、日本で舞台照明という仕事に就くにはどうすればいいのか分からず苦労しました。

「英語力」と「海外での実務経験」が、私の採用理由

インターネットで調べていくうちに幾つも照明会社があることは分かったのですが、今度は会社の規模や応募の仕方が分からない。これは帰国してから実際に会社を訪問して情報収集するしかない、と気になる会社をリストアップしている時に、今の会社の新卒採用締切まであと10日ほどあることに気づき・・・取りあえず受けてみるかと軽い気持ちで書類を送り、面接の日程に合わせて帰国しました。1年かけて就活する気満々だったのですが、縁あって採用していただいたことと、大手ということで多くの現場に出会える可能性に惹かれ入社を決めました。入社して聞いてみれば、採用理由は「英語力」と「海外での実務経験」。通訳はたくさんいるけれど、舞台のことを理解した上で判断できる点を評価してもらえたようです。

語学留学ではない「英語で学ぶ」NICでの経験

冒頭に述べたように、現在では海外アーティストの来日公演を中心に仕事をしています。とてもやりがいを感じて、学生の頃のようにワクワクしながら仕事に取り組んでいる自分を感じています。語学留学とは異なる「英語で学ぶ」経験、そのファーストステップを支えてくれたNICには感謝しています。

NICを訪れたことが、今の自分に繋がっている

生まれ育った国を離れて海外に飛び出すというのは、とても勇気のいることかもしれません。ですがNICでの1年間は、言葉の不安や留学先での生活に対する不透明さを取り払ってくれます。多くの友人たちと共に留学するという心強さもあります。まずは一歩踏み出してみること、それがいつか一回り大きな自分、新しい自分に出会えるチャンスなのだと思いますよ。舞台照明という職種を選択肢として思い描いた高2の夏から気づけば10年、最近は海外アーティストの来日ツアーなどを担当させてもらうようになりました。「英語で学ぶ」という意識でNICを訪れたことが、今の自分に繋がっていると思います。