第28期生メッセージ集【大阪校編】

私を形作る、すべての人へ

私は何故此処に辿り着いたのか、今になってみてもよく分かりません。振り返れば人生においての沢山の点と点が結びつき、線となり、自分の一番必要とする場所に導かれたのだと思います。進学校での同じような毎日の繰り返しの中で何の手応えもないまま同じような進路を選びすすむこと、何故それがよしとされるのだろう。きっと違う、私には何かあるんだと。ここにくるまでの私は疑念と根拠ない自信の塊でした。

NICと出会ったのは偶然で、パンフレットを読むなりここだと感じました。そこには私のなりたい全てがあったからです。目に留まる言葉ひとつひとつが輝いて見え、本を読んでは空想に耽る日が続きました。迷いはありませんでした。程なくして迎えた入学式、私はそこでその先の親友、そして大切な理解者となる人たちと出逢います。NICで出逢った人たちは、本当に素敵な、本当にあたたかい人たちです。私はこれまでに心から”優しい”と思える人に出会ったことがありませんでした。私はそんな人たちに幾度となく励まされ、怒られ、そして救われました。私のNIC生活は彼彼女らなしに語ることは出来ません。異なるバックグラウンドを持ち個性的で優しいNICの人々の言葉は、なんのフィルターもかからずに素直に心に届いてきます。私はこの環境と学校が本当に大好きです。

最初の授業では、環境の変化に鼻血と高熱を出しました。約10kgのリュックを背負って、それでも学校に行く私に、高校時代の友達も先生も親もひどく驚いていました。どんなにしんどくても本当に楽しかった、そんな自分が好きになれました。例えば寝れなくて、今日も寝れないと悟る日。そんな日でも夜遅くまで空いている店をはしごして宿題をしたこと、一人ではありません、クラスメイトと共に朝を迎える日々が重なることもありました。明るむ空を見ながら、必死にキーボードを打ちました。それでも終わらず殆ど絶望しそうな時、本当のピンチになってはじめて一切の雑念が消え、思考が研ぎ澄まされるのを感じます。冷静になり知恵が湧いてくるのです。そのピンチが訪れるたびに、自信がつき、強くなるのを実感しました。

自分自身変われたか?と訊かれれば 少し迷って、変わっていないと答えます。とても強くなったけれど、本質的なところで私は私でしかないからです。入学する前、私は他力本願でした、環境さえ変われば自動的に自分の性状も変わるだろうと思っていたのです。しかし、それは間違いでした。人は能動的に行動することで、そして成長という形で少しずつ変わっていきます。そのことに気付けたのも、両親先生を含め経験を得るチャンスを私に絶えず与えてくれた人々の愛情があったからです。この場を借りて本当に、ありがとう。

最後に、この冊子を手に取ったあなたへ。私たちはもうすぐ、一年前想像だにしなかったような大きな夢を掲げながら 世界中に散らばります。いつか再会した時にどのような人になっているのか今から楽しみで仕方がありません。あなたはこの文章を何気なく読む人かも、それとも希望に溢れ何かを期待して読む人かもしれません。そのいずれでなくとも、あなたが一年前の私のように将来に希望と不安を抱く一人の人ならば、自信を持って言えます。ここにはきっとあなたの望むものがある。自分を信じ、乗り越えて、自分自身の輝きを掴んで下さい。

PROFILE

Sakira Yoneda
大阪府・大阪府 履正社高校出身
イギリス国立ロンドン大学進学