スイス留学の体験談 2014年

日本の大学3年生の皆さんへ/セザール・リッツ・カレッジ ブリッグ校

NIC、そしてスイスへ

私は今、スイスのブリッグという町にある、Cesar Ritz Collegesというところで、ホテル経営と観光学を学んでいます。
Cesar Ritz Collegesはその名の通りフランスの名門「リッツホテル」の創業者の名前を冠した学校で、私が学ぶ大学院修士課程では、約1年間でスイスの学位と、イギリス国立ダービー大学の両方の学位が取得できます。

NICを知るきっかけは、弟がNICに入学したことでした。弟も香川県の高校に通っていたのですが、高校生活がうまくいかず、NIC高校部に3年次転入したのです。それを見て私も興味を持ち、大学4年生になって大学の授業が卒論だけになるのをきっかけに、大学の授業は週1時間だけという状況を生かして、NICに入学しました。

NICでは、HIという真ん中のクラスからスタートしました。大学では英文科だったので英語には自信があったのですが、いざNICの授業が始まると、英語ができない自分にショックを受けました（笑）。とても大変でしたが、NICの1年間を無事に終え、大学も無事に卒業して、7月からこちらに来ました。

仲間同士のきずな

ホテル・観光学に特化した学校なので、授業はとても面白いです。ホテル経営やレストラン経営などに関する多様な理論を学ぶのはもちろんのこと、実際にサービスやテーブルマナーを学ぶ授業や、ワイン、チーズそしてクレープの知識まで実践的なクラスもたくさんあります。

授業が始まって4か月が経ちましたが、勉強はとても大変です。日本人がほとんどいない環境の中で、最初は毎日泣いてばかりいました。でもクラスメイトや先生方がとても優しくて、少人数なので仲間同士のきずなもとても強く、その思いに私もこたえなければならないと思い、もっと強くなろうと努力しました。暗い気持ちでいると周りが声をかけてくれますし、反対に自分が元気になると周りも喜んでくれる、そんな素敵な環境で日々頑張っています。

スイスはとても治安もよく、人々もフレンドリーなので、とても住みやすいです。ブリッグの駅がマッターホルンへの入り口であるツエルマット駅までの電車の始発駅なので、日本人観光客も多く、町の人々も日本人のマナーの良さを知っており、日本人でよかったと思いました。

私の直近の目標はフランス語も流暢に使えることになることです。今もフランス語の授業を取っているのですが、先生もとても厳しく、さぼる暇もありません（笑）。
スイスでは3か国語4か国語話せることは当たり前のことで、さらにここブリッグは、ドイツ語圏の町で、さらにイタリア国境まで車で30分、ミラノまでも電車で2時間というところなので、多くの人がこれらの言語を普通に使えます。英語ができるだけではすごくもなんともないのです。

大学３年生へのメッセージ

私は、日本の大学生、特にこれから将来を考えなければならない3年生に向けて、この手紙を書いています。
大学3年生になると、多くの人は将来について悩みだすと思います。私もその一人でした。でももし何かをやりたいという夢があるのであれば、それを絶対にあきらめないで、妥協しないでほしいということです。大学時代の同級生と時折話すのですが、みんな共通して言うのは「もっと学生の時に一生懸命やっておけばよかった」「一歩踏み出す勇気がなかった」ということです。これから将来を考える皆さんには、その一歩踏み出す勇気をもってほしいです。あとで悔いがないように。自分を信じること、そして自分の道は自分の力で開けるんだということを知ってほしいです。同じように悩んでいた私ができたのですから、みなさんにもぜひチャレンジしてほしいと思います。

卒業後は日本の政府観光局で働くのが夢です。スイスに残って働くことも考えたのですが、スイスへの日本人観光客が激減しており、日本人就業者のマーケットも急激に縮小していて、日本人を採用する企業も少なくなってきていると聞き、日本の観光業に携わり、外国から日本にたくさんの観光客を呼び、日本の良さをもっと多くの人に知ってほしいと考えるようになりました。
弟も今オーストラリアで獣医を目指して頑張っているので、姉弟で頑張りたいと思っています。