先輩からのメッセージ
東アジアと日本をブリッジする仕事に興味があるんです。
奥村美奈子さん
NIC 第13期生 千葉県立千葉東高校出身
カリフォルニア大学ロサンゼルス校人文学部 「言語学」・「東アジア言語・文化」学科 3年
「お待たせしました!ちょっとベタかなぁ?このパーカー。撮影もあるって聞いて用意してきたんですけど・・・。たったいま、試験、全部終わりました!遅い時間になってすみません!」胸にUCLAのロゴがブルーカラーで大きくデザインされた白いパーカー。ライト素材のジーンズ、背中にリュック。待ち合わせのUCLAパウエルライブラリーのエントランスに登場した奥村美奈子さんが照れながら挨拶する。
いえ、周到な心配り。愛校心の発露と映ります。
クラスメイトが二人、取材の応援に駆けつけてくれた。新学期早々に彼女が得た大切な知己。
香港出身のフィオナさん、台湾出身のシンシアさん。二人は片言の日本語で自己紹介。そう、奥村さんはUCLAで「言語学」と「東アジアの言葉と文化」を専攻している。
サンタモニカカレッジ(SMC)の最終学期をオールAの成績で卒業した彼女は、秋に念願のUCLAに編入したばかり。3人とも最初の試験を終えてほっとした解放感が全身から立ち昇っている。
実は、午後から急にLAには稀なスコールが襲来。激しい雨脚にいっとき緑のキャンパスが白く塗り込められていた。傘を持つ習慣のない学生たちが右往左往。約束の午後3時直前に、雨雲はスッと退散。3人が現れる頃は日差しが戻る。ラッキー。彼女の機知に富んだ性格は、実力に加えて運も味方に引き寄せるようだ。
「高2の2月に、ホームステイで、NYマンハッタンの私立女子高に通う機会がありました。10人ほどの同級生が選抜されて各家庭に滞在。期間はひと月。休みの日には、ブロードウエイで「美女と野獣」を観劇したり、セントラルパークでスケートしたり。ホストファミリーの家族がとてもよくしてくれて、感激しました。でも細かいコミュニケーションは、私の語学力がプアで全然できない。それが、とっても残念で本当に悔しくって・・・。」ほんのすこし瞳をうるませながら、「でもその思いが海外留学に目を向けるきっかけになりました」
「当時、父が中国に赴任していて、私も中国に興味がありました。でもNYに行ったことがきっかけで、英語の重要性に気付いたんです。英語は世界の共通語ですよね。だから英語を学んでから中国語を勉強してもいいんじゃないか、日本からの視点じゃなくて、世界からの視点で中国をとらえたいな。そう考え出したときにNICの存在を知りました。それで資料請求のハガキを送ったら、すぐいただきました。たくさんいろいろ。(笑)」
「当初、意外に父が猛反対。東京の大学にしなさいって。母親は説明会にも同行してくれて当然賛成。そこで私は、海外留学の志望動機、メリット、授業料、生活費の試算、そういうものを「計画書」としてしっかりペーパーにまとめ上げ、父親を必死に説得しました。その努力が実って、父親も折れ、なんとか無事NICに入学。2学期に入ると、TOEFLも500点のハードルを超えて、さらに毎日勉強を重ねて、SMCでまた勉強して、いまようやくひとつの目標を実現したところですね。まだまだ終わりじゃない(笑)」
UCLAを選んだのは、立地条件のよさと学力レベルの高さで、と語る奥村さん。通学はバスで40分。SMC時代からのルームメイトとシェアするアパートに住み、月々の家賃負担は500ドル、生活費込み1000ドルで月々をまかなうように心がけているという。
さらに、UCLA編入の際はNICから奨学金も授与された。
「いま勉強の息抜きはサーフィンですね。マリブの近くにいい波のポイントがあるんです。出身が稲毛海岸なのでビーチが好きなんです!将来は、中国や韓国、台湾、東アジアと日本をブリッジする仕事につきたいです」と目を輝かす奥村さん、きみがパドリングするマリブのその白い波は、大洋越えてはるか東アジアに続いてる。